義務教育課だより 5月号(令和6年5月1日)

義務教育課だより 5月号

 新学期が始まって1か月が経過しました。新任式、始業式、入学式、学級開き、家庭訪問等、大切な行事が目白押しの4月であったことと思います。

 さて、5月5日は立夏。暦の上では夏、吹き抜ける風が心地よく、すがすがしい季節となります。子供たちは学校生活に慣れ、活動の幅が広がるのではないでしょうか。運動会に向けて練習を始める学校も多いようです。各学校においては、教育活動の内容を工夫し、有意義な活動を展開することで、子供たちの健やかな学びにつなげていただきますよう、よろしくお願いします。

 

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義務教育課だより 4月号(令和6年4月1日)

義務教育課だより 3月号(令和6年3月1日)

義務教育課だより 3月号

 「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」と言いますが、令和6年の幕開けから早2か月が過ぎました。3月は1年間を締めくくる大切な月です。

 年度末の慌ただしい時期ですが、一日一日を大切にして、子供たちが希望をもって次のステップに進むことができるよう、締めくくりをよろしくお願いします。

 今回は、キャリア教育の中の「えひめジョブチャレンジU‐15」の取組についてお伝えします。

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義務教育課だより 2月号(令和6年2月1日)

義務教育課だより 2月号

 この度の能登半島地震において被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 さて、寒さも厳しくなる時期、インフルエンザ等の感染症の流行が心配されます。手洗いやうがい等の感染症対策をとり、目の前にいる子供たちとの時間を大切にしながら、年度末の節目に向けて、子供たちの育ちをしっかりと支えていきたいものです。

 今回は、児童生徒一人一人の頑張りをたたえた「えひめっこピカイチ大賞表彰式」、そして全国で展開されている1人1台端末の効果的な活用に取り組む「リーディングDXスクール事業」についてお伝えします。

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義務教育課だより 1月号(令和6年1月1日)

義務教育課だより 1月号

 明けましておめでとうございます。

 先生方におかれましては、よい年をお迎えのことと思います。

 一年のまとめを行い、次年度の準備をする重要な学期のスタートです。子供たちが、残りわずかとなった今年度の一日一日を大切にしながら、様々なことに挑戦し、飛躍できるよう、支援してほしいと思います。三学期も子供たちが心身ともに健康で、勉強に活動に楽しく取り組めますよう、県、市町、学校が一体となって、教育活動を進めていきましょう。辰年は活力旺盛になって大きく成長し、形がととのう年と言われています。愛媛教育にとって更なる飛躍の年となりますよう、今年もよろしくお願いいたします。

 今月は、本県の学力向上に関する話題を紹介します。

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義務教育課だより 12月号(令和5年11月30日)

義務教育課だより 12月号

 様々な行事が目白押しだった2学期も終盤に差し掛かり、令和5年を締めくくる師走となりました。「光陰矢の如し」と感じている方も多いことと思います。2学期をよい締めくくりにして、どうぞ有意義な年末をお過ごしください。

 さて、今月の話題は、10 月に文部科学省から公表された令和4年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果など、生徒指導に関するものです。この1年の取組を振り返りながら、御覧ください。

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義務教育課だより 11月号(令和5年10月31日)

義務教育課だより 11月号

 すっかり日が短くなり、秋の夜長を感じる季節です。秋といえば「○○の秋」。スポーツ、芸術、読書、食欲、……。秋は何をするにもよい季節です。昨日まで、「ねんりんピック愛顔のえひめ2023」が開催されていました。学校教育の現場では、図工・美術、書写等の作品展や中学校の新人体育大会、小学校の陸上記録会などが各地で開催されています。子供たち一人一人がいろいろな分野で活躍し、頑張った成果を実感できるような、充実した「実りの秋」になることを願っています。

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義務教育課だより 10月号(令和5年9月29日)

義務教育課だより 10月号

 人生100年時代の到来。ある海外の研究を基にすると、2007年に日本で生まれた子供の半数は107歳より長く生きると推計され、日本は健康寿命が世界一の長寿社会、いわゆる「人生100年時代」を迎えているとされています。22世紀を迎えるときには、現在15歳の中学3年生は93歳、6歳の小学1年生は84歳となっています。変化の激しい時代にあって、100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたって「学び続ける姿勢」が重要となってきます。今後、生成AIやビッグデータの活用等、常に最新の知識技能を取り入れ、教育に生かそうと、主体的に学び続ける教師の姿が、何より児童生徒にとって重要なロールモデルとなります。

 今回は、学習の基盤として求められる資質・能力の一つ「情報活用能力」、そして「生成AIガイドライン」についてお伝えします。

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義務教育課だより 9月号(令和5年8月31日)

義務教育課だより 9月号

 

 長い夏休みが終わり、学校に子供たちの元気な声と笑顔が戻ってきました。久しぶりの再会を喜んでいる子供もいれば、不安に感じつつ2学期のスタートを迎えた子供もいると思います。児童生徒の様子に気を配りながら、子供たちへの声掛けをお願いします。

 2学期は、運動会や文化祭等、様々な学校行事があり、楽しみにしている子供たちも多いのではないでしょうか。これらの学校行事は、児童生徒の社会性を育む絶好の機会となります。他者との協働を通して、子供たちが自他の個性を理解し、互いのよさや可能性を尊重しながら、よりよい集団の中で豊かな社会性が育まれるよう、取組を進めていただきたいと思います。

 今月は、今年度4月に実施され、7月末に結果が公表された「全国学力・学習状況調査」についてお伝えします。

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義務教育課だより 8月号(令和5年7月31日)

義務教育課だより 8月号

 真夏の日差しが照りつけ、向日葵がまぶしく咲く季節となりました。夏休みに入り、充実した時間を過ごされていることと思います。

 さて、目まぐるしく移り変わる時代と共に、教育に関する考え方も変化してきています。その一つが、不登校の捉え方です。以前は、学校に登校させることのみに目が向きがちでしたが、現在は子供たち一人一人が社会的自立に向けて歩み出せるように、学校は何ができるのかを考え、個々の状態に応じたきめ細かな支援をすることが求められています。

今回は、全国的にも増加している不登校の問題について、基本的な考え方と県の取組について紹介します。

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義務教育課だより 7月号(令和5年6月30日)

義務教育課だより 7月号

 梅雨の晴れ間に夏の足音を間近に感じられる季節となりました。1学期も残り1か月、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、普段の授業や学校行事等において、単に以前の取組に戻すのではなく、先生方がそれぞれの教育活動の意義を再確認しながら、より充実した内容で実施されていることと思います。

 また、感染症対策と並行しながら、加速度的に進んだGIGAスクール構想による1人1台端末の整備や活用ですが、最近はChatGPTなどの生成AIが話題になっています。これらの新しい技術は、子供たちの学びや将来にどのような影響を与えるのか、まず教員が体験し、知ることが大切です。県内では既に、実際の授業での活用や、有識者を招いての研修会の実施などに取り組んでいる事例もあります。

 今回は、愛媛県教育委員会が策定した「ICT教育推進ガイドライン」と、ICT活用事例、題して「ICTで『つながる』えひめの学び」を紹介します。

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義務教育課だより 6月号(令和5年6月1日)

義務教育課だより 6月号

 紫陽花が綺麗に色づき始める季節となりました。1学期も折り返しに入り、子供たちは新年度からの新しい生活に慣れ、子供同士や先生方との関係性も徐々に深まってきたのではないでしょうか。湿度や気温の変化によって体調を崩しやすい時期ですが、子供たちと先生方自身の体調管理に留意しながら、1学期後半の教育活動も充実させていきましょう。

今月は、「第4期愛媛県学力向上推進3か年計画」の策定と、8月に開催される「NIE全国大会松山大会」について紹介します。

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義務教育課だより 5月号(令和5年5月1日)

義務教育課だより 5月号

     新学期が始まって1か月が経ちました。新任式、始業式、入学式、学級開き、家庭訪問等、大切な行事が目白押しの4月であったことと思います。

 さて、3月13日からマスクの着用は個人の判断が基本となり、4月から学校現場においてもマスクの着用を求めないこととなりました。そして、5月8日からは、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されます。各校においては、健康観察や換気の確保、手指衛生といった感染症対策を講じつつ、学習内容や活動内容を工夫し、有意義な教育活動を展開することで、子供たちの健やかな学びにつなげていただくようよろしくお願いします。

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義務教育課だより 4月号(令和5年4月1日)

義務教育課だより 4月号
 

 「選手の力を信じて前に進むだけ」こう言い続けた野球のワールド・ベースボール・クラシック日本代表の栗山英樹監督。子供たちに大きな夢を持ってもらいたいと臨んだWBCでの侍ジャパンの戦いぶりは、私たちに大きな感動を与えてくれました。

 国のコロナ対策が大きな転換期を迎える今、学校現場では、新たなスタートラインに立ち、希望に目を輝かせている子もいれば、不安を抱えている子もいるのではないでしょうか。私たちは、これまでに得た感染対策に関する知見や経験を基に、子供たちの安全・安心な生活を守りながら、失敗を恐れず、一人一人が持てる力を存分に発揮できるよう、教育活動の更なる充実を図っていく必要があります。各学校での取組をよろしくお願いします。

 今月は、令和5年度の主要事業から「不登校児童生徒等支援事業」「えひめ版学力向上推進事業」「えひめジョブチャレンジU‐15事業」についてお伝えします。

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義務教育課だより 3月号(令和5年3月1日)

義務教育課だより 3月号


  今年度も残りわずかとなりました。
  私たちは、これまでの3年間、新型コロナウイルス感染症と対峙し、「学びの保障」と「安全の確保」の両立という難題に挑み続けてきました。その間、子供たちの心や身体にかかる負荷は、目に見えていないもの、今現れていないものも含め、とても大きなものとなっています。これまで以上に一人一人の内面にまで目を向けた子供理解が求められます。
  一方で、私たちは、感染防止に関する知見や経験を数多く得てきました。今後も感染対策に重点を置くことはもちろんですが、培った知恵と工夫で、子供たち一人一人が輝ける学校、伸び伸びと頑張れる学級づくりに努めていきたいものです。

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義務教育課だより 2月号(令和5年2月1日)

義務教育課だより 2月号


  節分の翌日は立春、暦の上では春となりますが、2月頃が1年の中で最も寒い時期だと言われています。この冬は、昨年末の大雪に象徴されるような寒い日があったり、春の陽気を思わせる暖かい日があったりと、寒暖差が大きくなっています。コロナ禍も4年目を迎える中、今年の冬はインフルエンザとの同時流行も心配されています。感染防止に気を配りながらの教育活動の推進は、苦労も多いことと思います。引き続き、感染予防対策を含む衛生管理の徹底を図りながら、子供たちの「今」を大切にした教育活動を充実させていきましょう。
  今月は、「道徳教育の充実」「えひめっこピカイチ大賞表彰式」に関する話題を紹介します。

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義務教育課だより 1月号(令和5年1月1日)

義務教育課だより 1月号


 明けましておめでとうございます。
 先生方におかれましては、よい年を迎えることができましたでしょうか。志を新たに一年のスタートをきり、年度の締めくくりとなる3学期を明るく元気に過ごしていきましょう。
 今月は、本県の学力向上に関する話題を紹介します。


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義務教育課だより 12月号(令和4年12月1日)

義務教育課だより 12月号

 師走に入り、寒さも一段と増してきました。葉を落とし寒さに備えてじっとたたずむ木々の姿に、季節の移ろいを感じます。
 2学期も残すところあと1か月となりました。各学校においては、学習や生活のまとめの時期に入り、慌ただしい中にも、子供たちの成長につながる充実した教育活動が進められていることと思います。子供たち一人一人が成長を実感し、新学期、そして新年への希望を抱くことができるよう、引き続き、指導を充実させていきましょう。

 今月は、生徒指導関連の話題を提供します。


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義務教育課だより11月号(令和4年11月1日)

義務教育課だより 11月号

 

公園の木々や街路樹が色づき始め、秋の深まりが感じられるようになりました。2学期も後半に入り、各学校・地域においては、コロナ対策をしっかり講じ、特色を生かした様々な教育活動や研究発表会等が盛んに行われていることと思います。引き続き、子供たち一人一人が成長を実感し、夢や希望を抱くことができる教育活動の推進をお願いします。
 今月は、英語の授業改善に向けた県の取組について紹介します。

 
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義務教育課だより10月号(令和4年10月1日)

義務教育課だより 10月号


 色づき始めた木々や虫たちの奏でる涼しげな音色から、季節の移り変わりを感じます。読書やスポーツ、芸術の秋などと表現される今の時期は、様々なことに挑戦するには好季節と言えるでしょう。一方で、夏の疲れも出やすい季節の変わり目でもありす。新型コロナウイルスの感染回避行動を継続し、体調管理に留意しながら、子供たちにとって実り多い秋となるよう、引き続き一人一人の実態に応じた教育活動の推進をお願いします。

今月は、「えひめジョブチャレンジU‐15事業」と「読書」に関する話題を取り上げます。

※ 10月4日(火)に、電子版読書通帳についての表記を一部修正しました。

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義務教育課だより9月号(令和4年9月1日)

義務教育課だより 9月号


 それぞれの夏の思い出を胸に、子供たちが元気に学校に戻ってきました。 
 2学期は、子供たちが楽しみにしている行事が目白押しです。県内においても8月に入り、感染力が強いオミクロン株BA.5系統への置き換わりが進んだ影響から陽性者が爆発的に増加しており、8月23日には、「愛媛県BA.5医療危機宣言」が発出されました。不安を感じつつ2学期のスタートを迎えた子供たちもいるかもしれませんが、教育活動を継続し、子供たちの学びを保障しながら、かけがえのない思い出を増やすことができるよう、各学校での工夫した取組をお願いします。 
 今月は、今年度4月に実施され、7月に結果が公表された「全国学力・学習状況調査」に関する話題を取り上げます。

 

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義務教育課だより8月号(令和4年8月1日)

義務教育課だより 8月号

 
 
夏休みに入って10日ほど経ちました。今年の夏も、強烈な日差しと蝉の大合唱が暑さを際立たせる、そんな日々が続いています。とはいえ、子供たちにとっても先生方にとっても、待ちに待っていた夏休み。新たな出合いや挑戦に心躍らせているのではないでしょうか。

忙中閑あり。ほっと肩の力を抜いて、好きな音楽に触れたり、趣味に没頭したりするなど、心を落ち着かせる時間も大切にしたいものですね。

  また、少しゆとりのもてるこの時期に、各種の研修に参加するなど、自身の視野を広げ、今後の教育活動に生かせるような知識や技術を身に付ける時間の使い方も工夫してみませんか。



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義務教育課だより7月号(令和4年7月1日)

義務教育課だより 7月号
 
 1学期も残りわずかとなりました。各学校では感染防止対策と教育活動の両立が図られ、授業や校外での活動、部活動などが活気付き、校庭や校舎内には子供たちの笑顔が、体育館には躍動するボールやシューズの音が、随分と戻ってきたように感じます。運動会や修学旅行など子供たちが楽しみにしている学校行事も工夫して実施されています。

 コロナ前のような実施はできないにしても、各種教育活動を、その意義やねらいをしっかりと踏まえた上で感染対策と並行しながら効果的に推進するのが、withコロナの中にある学校の在り方です。

 さて、県内の全ての小・中学校が7月20日に終業式を迎えます。夏休みに、子供たちは家庭や地域、もしくは部活動などで新たなことに出合ったり、挑戦したりする機会が増えます。この夏休みには、子供たちそれぞれがたくさんの「挑戦」の機会に出合うことができるよう、通知表を手渡す際には、今学期の頑張りを伝えるとともに、この夏の生活を充実させるための、一言アドバイスを添えられるといいですね。

 

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義務教育課だより6月号(令和4年6月1日)

義務教育課だより 6月号

6月を綺麗な風の吹くことよ 正岡子規

 
 ちょうど今頃を、二十四節気の一つ「芒種」と呼び、稲や麦など「のぎ」を持つ作物の種をまく時期とされています。 
 梅雨の晴れ間には、田植えを終えたばかりの早苗の間をきれいな風が吹き抜けていきます。
 1学期も後半です。
 子供たちにとって、4月から積み重ねてきた学びを基に、更に一回り成長できる大切な時期です。一方、新年度からの新しい環境に慣れ、張り詰めていた気持ちが少し緩むことで、思わぬ疲れが出る時期でもあります。引き続き、各学校で子供たち一人一人の実態に応じた教育活動の推進をよろしくお願いします。



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義務教育課だより5月号(令和4年5月1日)

義務教育課だより 5月号

 
マスク越しではありますが、吹き渡る薫風に初夏のすがすがしさを覚える五月となりました。「皐月」とは、古来、稲の苗を作って田植えをする月との意です。秋の豊かな実りを願いながら早苗を一つ一つ大切に植え育てていく様は、私たち教職員が今年度新たに出会い、関わりをもつこととなった子供たちの健やかな成長を心から願う姿と重なるような気がします。

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義務教育課だより4月号(令和4年4月1日)

義務教育課だより 4月号

 はれきつた空や
雲雀ひばりの声青し 正岡子規

 ふと見上げると、気持ちのよい春の空が広がっています。
 新年度が始まりました。新1年生が不安と期待を胸に入学してきます。また、進級する子供たちも、勉強や運動を頑張ろうと、心新たにこの4月を迎えていることでしょう。子供たち一人一人が、新しい生活を気持ちよくスタートできるように、準備を進めていきましょう。
 コロナ禍において、今年度も感染防止に関する配慮等で、気の休まらない日が続きますが、子供たちの安心、安全な生活を守るために、引き続き、各学校での取組をよろしくお願いします。

 さて、今月は、「隠れたカリキュラム」「県の事業」「教職員ふれあい広場の活用」についてお伝えします。


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義務教育課だより3月号(令和4年3月1日)

義務教育課だより 3月号
 
 
夏季五輪で過去最高のメダル数を獲得した東京五輪に熱狂した夏から半年、冬季五輪過去最高の「金」3個を含むメダル18個を獲得した北京オリンピックに再び日本中が熱狂した冬も、終わりを告げようとしています。今年度も残すところ1か月となりました。

さて、今月は今年度を振り返りながら、来年度に向けて先生方の役に立つ情報も紹介します。ぜひ、ご一読ください。


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義務教育課だより2月号(令和4年2月1日)

義務教育課だより 2月号
 
  
雨の中に立春大吉の光あり  高浜虚子

 

 暦の上では「春」を迎え、今年度の締めくくりと次年度への展望等、ますます忙しくなる時期ですね。

先月、成人の日に、令和4年1月1日現在における「新成人」の人口の推計が約120万人(総務省調査)で、過去最低を更新したことが話題になりました。人口減少は本県でも深刻な問題です。今、私たちの目の前にいる子供たちは、この国の未来を切り拓いていく希望の光です。教育に携わる者として、改めて職責を感じながら、子供たちの育ちをしっかりと支えていきたいものです。


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義務教育課だより1月号(令和4年1月1日)

義務教育課だより 1月号
 
  明けましておめでとうございます。
 先生方におかれましては、健やかに新年を迎えられたことと思います。
 感染症対策に気を遣う毎日が続きますが、子供たちとともに明るく毎日を過ごしたいものですね。
 今月は、CBT版愛媛県学力診断調査についてのお話です。


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義務教育課だより12月号(令和3年12月1日)

義務教育課だより 12月号
 
  今日から師走です。今年の日本の冬は、ラニーニャ現象の影響を受け、平年より寒くなるという予報になっています。厳しい寒さはちょっと辛いですが、冬の夜、温かい炬燵の中で読書にふけるというのは幸せなひとときの一つに数えられるのではないでしょうか。 
  脳研究の権威・瀧靖之氏の著書「『賢い子』は図鑑で育てる」には、「子供のときに、いかに好奇心を磨き、鍛えているか、それがその子供の人生の伸びにつながる」、「図鑑は好奇心を刺激し、思考力も鍛えられる、長い人生を幸せに生きるための能力を身に付けられる最高のツール」とあります。図鑑のみならず、様々なジャンルの本が揃った学校の図書館は、子供たちの目が生き生きと輝くすてきな場所です。先生方、コロナ禍が落ち着いている今こそ、ぜひ、子供たちを連れて、学校の図書館に足を運んでみてください。
  さて、今月の話題は、ICT活用のメリットと不登校児童生徒の支援事業についてです。

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義務教育課だより11月号(令和3年11月1日)

義務教育課だより 11月号

はぜは実を黒々垂らし冬に入る 山口やまぐち 青邨せいそん

 高い空を流れる一筋の雲、色付き始めた木々の間を吹き抜ける透き通った風・・・。秋の深まりを感じるとともに、
ほおに当たる風に冬の気配も感じられる、何とも気持ちのよい季節を迎えています。11月7日は立冬です。忙しい日々の中にも、季節の移ろいに目を向け、少し心を休ませてほっと一息つく時間を見いだすなど、気持ちの余裕をもちたいものです。

2学期も後半に入り、各学校では地域の特色を生かした教育活動が順調に進んでいることと思います。読書、勉学、スポーツ…。何事にも取り組みやすい季節です。愛媛の全ての子供たちにとって実りの多い学期になることを願っています。

さて、今月の話題は、先日、県内出身者の受賞が決まったノーベル賞と、文部科学省から公表された「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果についてです。



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義務教育課だより 10月号(令和3年10月1日)

義務教育課だより 10月号


 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないまま迎えた新学期ですが、あっという間に1か月が経ち、朝夕には半袖が肌寒く感じられる季節になりました。
 本日10月1日より、本県独自の警戒レベルが、「感染対策期」から「感染警戒期」に移行されました。子供たちが安心して学校生活が送れるよう、引き続き感染予防に努めながら、延期等になっていた運動会や文化祭などの様々な学校行事や、実りの秋の充実した教育活動が行われることでしょう。
 今回は、先日公表された全国学力・学習状況調査の結果を基に、デジタルとアナログのベストミックスについてお話しします。


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義務教育課だより 9月号(令和3年9月1日)

義務教育課だより 9月号


 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に出場する選手の活躍に、歓声を上げ、感動し、前に進む活力をもらった夏休みも終わりを告げ、いよいよ2学期のスタートです。長期休業明けの登校を楽しみにしている子もいれば、不安に思っている子もいると思います。児童生徒の様子に目配り、気配り、心配りをしながら、新学期への意欲を高めていっていただきたいと思います。

 2学期は、子供たちが楽しみにしている様々な学校行事が予定されていることと思いますが、第5波の状況によっては、延期や実施方法の変更が必要となってくることが考えられます。今月は、2学期の教育活動について留意していただきたいことをお話します。

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義務教育課だより 8月号(令和3年7月30日)

義務教育課だより 8月号


 あかつきの蝉と聞きつつ又眠る 山口やまぐち誓子せいし

 

夏休みに入って、10日程経ちましたが、先生方いかがお過ごしですか?

慌ただしい日常から少し離れ、ゆったりとした朝を迎えられている方もいらっしゃるのではないかと思います。2学期に向けて、心身ともにリフレッシュしていただけたらと思います。

また、この時期を利用して、日頃手を付けられていない○○に取り組んでみるのもいいですね。

「夏休みにしかできないことに挑戦しましょう!」

 夏休みに入る前に、子供たちによく掛ける言葉です。先生方もぜひ、仕事やプライベートの両面からこの時期にしかできない○○に取り組まれ、2学期への英気を養っていただけたらと思います。

 今月は、「夏季休業中の研修の充実」と「えひめっ子情報リテラシーアプリ」に関するお話です。

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義務教育課だより 7月号(令和3年7月1日)

義務教育課だより 7月号


 統計開始以来一番の早さで梅雨入りした今年ですが、例年どおりの梅雨明けとなると長い梅雨になりそうです。

新型コロナウイルス感染症の影響は、各学校での感染対策や感染回避行動の徹底により、今のところ落ち着いているように思います。また、6月22日には警戒レベルが県独自の警戒レベルである「特別警戒期間」から「感染警戒期」へ切り替えられ、学校活動の規制も緩和されました。しかし、長く規制された生活の中で、先生たちも子供たちもコロナ疲れなどのストレスや不安を感じているのではないでしょうか。

 そこで、今月はストレスや不安と教育相談活動についてお話します。

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義務教育課だより 6月号(令和3年6月1日)

義務教育課だより 6月号


 6月、梅雨の季節になりました。今年は平年と比べて21日早く、1951年の統計開始以来、最も早く梅雨入りしました。じめじめした時期が続きますが、子供とともに明るく毎日を過ごしたいものですね。今月は、学力向上に関する取組についてのお話です。 


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義務教育課だより 5月号(令和3年5月1日)

義務教育課だより 5月号


 現在、愛媛県では、5月19日までを独自の警戒レベルである「感染対策期」としており、県内全域へ不要不急の外出自粛要請が出されるなど、県民が一体となった感染拡大を抑え込む努力が続いています。そのような状況でも、子供たちの学びを深めることができるよう、学校の教育活動だけでなく、家庭学習や家庭生活の充実を図る取組についても、各学校において積極的に進めていきましょう。



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義務教育課だより 4月号(令和3年4月1日)

義務教育課だより 4月号


 令和3年度が始まります。昨年度同様、コロナ禍にあってのスタートとなります。今月は、子供たちが学校活動で様々な経験を積むことの大切さについて、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に寄せて」と題して考えてみました。



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義務教育課だより 3月号(令和3年3月1日)

義務教育課だより 3月号


 令和2年度も、最終盤に差し掛かりました。この一年の間に、学校の状況は大きく変わりました。特に、教育のICT化が急速に進み、ほどなく全国ほとんどの小中学校で1人1台端末が整います。そこで今月は、「愛媛県ICT教育推進ガイドライン」と「ICT活用実践事例」について、その概要等を紹介します。



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義務教育課だより 2月号(令和3年1月22日)

義務教育課だより 2月号


 今月は、「ICTを活用した実践事例」と「えひめっこピカイチコンテスト 作品展示」の2つについて取り上げました。コロナ禍の中、多くの制約がある生活が続きますが、逆境の中にあって前向きに頑張ろうとする気持ちを高めていきましょう。



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義務教育課だより(令和2年12月28日)

義務教育課だより 1月号


 2021年(令和3年)は、社会のデジタル化が一層進む年になりそうです。高度情報化社会は、多くの人と交流できるなどのプラス面、ネットトラブルにおける被害者(加害者)となってしまうなどのマイナス面を併せ持っています。
 そこで、今月は、「えひめっこ情報リテラシーアプリ」について、その内容と活用事例をまとめました。


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義務教育課だより(令和2年12月2日)

義務教育課だより 12月号


 コロナウイルス第三波の影響により、11月後半、県内では、臨時休業を余儀なくされた学校が多数出ました。今月の義務教育課だよりは、いざという時に備えて、今後、各学校に対応を検討してほしい項目を例示しました。


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義務教育課だより (令和2年10月30日)

義務教育課だより 11月号


 「ファーストブック」、「ブッククロッシング」…皆さんは、これらの言葉を耳にしたことがありますか? 今月の義務教育課だよりは、「読書の秋」にちなみ、読書活動の活性化につながる取組例をまとめました。


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義務教育課だより(令和2年9月28日)

義務教育課だより 10月号


 10月1日(木)に問題を配送予定の令和2年度県学力診断調査ー。今月の義務教育課だよりは、本調査を例年とは異なる形での調査とした意図や実施に当たってのQAをまとめました。実施の可否を検討されている学校においては参考になるものと思われます。ぜひご一読ください。


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義務教育課だより(令和2年8月31日)

義務教育課だより 9月号


 この夏は、県高温注意報が8月いっぱい続くという異例の暑さになっています。そこで、今月は、保健体育課の協力を得て、9月の学校安全・危機管理上、最も留意すべき点、熱中症事故の防止についてまとめました。


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義務教育課だより(令和2年8月4日)

義務教育課だより 8月号


  ~「1人1台端末・高速通信環境」がもたらす学びの変容を目指して~

 
7月13日付け「義務教育課長メッセージ」では、県内の市町で唯一、既に1人1台の端末整備が完了している伊方町の中学校において開催された「オンライン授業研究会」を紹介しました。他市町においても、現在、ICT環境の整備が着々と進んでいるところですが、今後、環境が整い次第、各学校が様々な場面で機器を有効に活用し、子供たちの学びが一層充実するよう、先生方の研修が活性化することが予想されます。

  1人1台環境が整った暁には、ICTを活用しての「一斉指導による学び(一斉学習)」に加え、「子供たち一人一人の能力や特性に応じた学び(個別学習)」、「子供たち同士が教え合い学び合う協働的な学び(協働学習)」を推進していくことが、重要になってきます。

  そこで、義務教育課では、この度、「一斉学習」、「個別学習」、「協働学習」それぞれの学習場面におけるICTの活用事例や活用のポイント、さらに、活用できるコンテンツを掲載したページを立ち上げました。まずは、本ページをご覧いただき、必要に応じて活用してください。また、先生方からの有意義なご意見もお待ちしておりますので、本サイト(ふれあい広場)にご意見やご感想を投稿していただければ幸いです。

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義務教育課だより(令和2年7月3日)

義務教育課だより 7月号


  学習指導要領が改まった小学校では、学習評価の観点別学習状況が従来の4ないし5観点から3観点に統一されます。この夏の通知表の作成を前に、「主体的に学習に取り組む態度」の評価の捉え方について触れました。

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義務教育課だより(令和2年4月27日)

          義務教育課だより 5月号

~えひめ教職員「ふれあい広場」の積極的な活用を~


 現在、子どもたちは、感染症への不安を抱きながらも、学校が早く再開することを心待ちにしていることでしょう。また、先生方も、子どもたちが愛顔で登校してくるのを待ちわびていることと思います。一方で、本日(4月27日(月))12時の時点で、国の緊急事態宣言がいつ解除になるか、見通しが立っておらず、県内の各小中学校の再開時期についても不透明なままです。

そのような中、チーム愛媛として、全ての小中学校で情報を共有する「えひめ教職員ふれあい広場」には、次々と投稿が寄せられています。県内の先生方の子どもを思う気持ち、助け合って緊急事態を乗り越えていこうとする心意気に感謝します。

南予のある学校の実践例が東予のある学校の取組を活性化させるヒントになる、小規模校の小さなアイデアが大規模校の取組改善の大きなヒントになる、といったことが実際に起こっています。今後も、本サイトが各学校に積極的に活用されることを、また、各学校における取組例のアップが加速されることを期待しています。

★ 募集について

【募集】臨時休業役立ち事例.pdf

 

 

義務教育課だより(令和2年4月1日)


          義務教育課だより 4月号
 

新型コロナウイルスの感染症対策のため、2月28日に文部科学省から小中学校等の一斉臨時休業が要請され、1か月が経ちました。この間、各学校は、規模を縮小した卒業式の実施、家庭学習支援をはじめとするきめ細かな情報提供、児童生徒の受入れや実態把握のための家庭連絡など、かつて経験したことのない対応を迫られました。

年度が改まるに当たって、県内の感染状況が落ち着くことを期待していましたが、3月31日午前現在、感染は拡大の方向にあり、他県では、学校再開を延期する動きも出てきました。

このような中、4月1日に予定していた初任者に対する辞令交付式及び本庁研修を中止しました。そこで、今月は、義務教育課長から初任者に向けてのメッセージを掲載します。メッセージには、初任者からベテランまで全ての教員に当てはまる内容もありますので、ぜひご一読ください。

~令和2年度 新任教師に期待する~

本日、愛媛の学校現場に、皆さんを迎えられたことは、同じ道を歩む者の一人として感慨ひとしおです。同時に、皆さんが早く「一人前」と言われる教師に成長することを期待します。

私は、職人の世界に通じていないので、先入観での話になりますが、料理や陶芸の世界では、修行を積み、相当の技術を身に付ければ、その後も周りからある程度評価される腕前を発揮し続けるのではないかと思います。

ところが、教育の世界では、何をもって一人前と言うのかが難しく、例えば、それまでの学校では他の教職員と遜色なくやれていたはずのことが、異動を機にできなくなるということがあります。かつて私も、長く勤めていた学校で、大過なく業務を進めていたはずなのに、年度が改まったとたん、上手くいかなくなったという経験をしました。

講師等の経験を含めて、経験の総量をもって一人前であるとは言い切れないのが、教職の難しさではないかと思います。

職人と教員の相違点とは? これも独断ですが、教員が関わるのは基本的に「人」です。それに対し、職人が関わるのは基本的に「物」です。この点に違いがあるのかもしれません。

教員はじめ学校で勤務する者は、人と、それも、大人よりも圧倒的に成長のスピードが速い「子供」と対峙します。子供は、みずみずしい存在です。そのみずみずしさは、年齢的なものだけではありません。尽きない好奇心、強い向上心の表れとも考えられます。そんな子供たちと日々向き合う皆さんには、学び続ける人であってほしいと思います。

同僚や上司、地域の方、他校の教職員、書物やネット情報、学ぶ対象は様々です。私は、初任者の頃、「この学校には、職員が50人もいる。一人一人、必ず学ぶところがある。それを見つけるといい。」と大ベテランの先輩から教わりました。また、恩師の家に、赴任校が決まったことの報告に伺った際には、「一年間、自分が一番何もできないと思って仕事をしろ。何も解っていないんだということを片時も忘れるな。」と励まされました。

学ぶ姿勢を保つうえで忘れてはならないのが、子供から学ぶ姿勢です。教員も人、子供も人、人対人の関係にあっては、教える側と学ぶ側がしばしば逆転します。一つの例が、子供の無心な姿に、教員がはっとさせられるというケースです。

ローマは一日にしてならず――。教育のプロとして生きるからには、日常の積み重ねが大切です。相手の目を見て、挨拶をする。一見、単純と思われる仕事こそ、心を込めてする。人任せにせず、自分から動く。このようなことを当たり前にやっていけば、いつの間にか、学び続ける人に近付いているのではないかと思います。

皆さんの行動を、子供は、親は、地域の人は、いつも期待を込めて見ています。覚悟を決め、様々な人、物、事から学ぶ姿勢を貫いてください。

                                      令和2年4月1日 義務教育課長 田坂文明


義務教育課だより(令和2年3月1日)

         義務教育課だより 3月号
 

令和2年に向けて



2月28日、文部科学省から新型コロナウイルス感染症対策のための一斉臨時休業について通知があり、県教育委員会としても、同日、臨時休業の措置を取るよう方針を示しました。こういった事態は初めてのことであり、2月28日現在、先が見えない部分が多々ありますが、こういう時こそ、子どもに関わる者一人一人が知恵をしぼり、よりよい対応を探っていきましょう。

県教育委員会では、本日、「愛媛学びの森」学習支援サイトに掲載されている学習シートを、学校ウェブページに掲載してもよいことや、学習、生活等に関する参考情報、家庭学習の工夫及び教材例等について周知するなど、各学校が臨時休業中に必要な措置を講じられるよう、対応しているところです。また、週明けには、休業中の子どもの見守り強化に向けて、警察関係者と協議する場を設けることとしています。

このような事態ではありますが、子どもの成長のためにも、次年度のスタートやその先への展望を持つことは大切です。そこで、今月の義務教育課だよりでは、「これから」を考える上でのヒントを、二つのキーワードとともに提示したいと思います。

一つ目は、「ICT活用」です。

先月号で取り上げた「GIGAスクール構想」。昨年11月、「パソコンが一人あたり1台となることが当然だということを、やはり国家意思として明確に示すことが重要」との首相発言によって、

●学校における高速大容量のネットワーク環境(校内LAN)の整備

●児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現

を目指して、国が財源を確保し、必要な支援を講ずることとなりました。端末整備の期限は、令和5年度末です。

毎年度末に文科省が実施している調査において、本県教員は、ICTを積極的に活用していることが分かっています。次は、平成31年3月の調査結果の一部です。

  本調査がいつまで継続されるかは定かではありませんが、プログラミング教育が必修化される小学校では、来年度(令和2年度)末には、中学校では数年遅れて、調査結果が100%に近付くことが予想されます。ICTを使うのは当たり前、問われるのは、その頻度と中身、という時代がやって来るのです。

もしかすると、中学校教員の中には、技術・家庭でプログラミングを指導するので、自分の担当教科でパソコン(端末)を使うのはまだ先のこと、と考えている人がいるかもしれません。しかし、パソコン(端末)が整備されれば、プログラミングに限らず、「いろいろな教科で使って当たり前。」との声が子供や保護者、地域からあがることは容易に想像できます。学習指導要領には、情報活用能力が言語能力等と同様に「学習の基盤となる資質・能力」に位置付けられています。パソコン(端末)の有効活用によって子供たちの学習意欲が高まることも、様々な先行事例で実証されています。

中学校の先生たちには、来年度受け持つ学年はさておき、自身の担当教科で一人1台パソコン(端末)による授業を実施するとしたら、どの単元(題材)が効果的か、あるいは、どういった形で使わせるとよいか、シミュレーションしておくことが望まれます。

ICTを活用した授業づくりに関しては、ベテランが若手に意見を求めたり指導を仰いだりする場面があるのではないかとも考えます。

次は、「雰囲気づくり」です。

昨年6月、48か国・地域が参加した、「OECD国際教員指導環境調査(TALIS2018」の結果が発表されました。本調査は、2008年に第1回が、2013年に第2回が実施され、2018年が三回目となります。日本は、中学校が第2回から、小学校が第3回から参加しています。

次は、「教員の自己効力感」に関する調査の結果です。小学校は、15か国・地域の参加にとどまったため、参加国平均が示されていません。

  この結果について、報告書では、「日本の小中学校教員は、高い自己効力感を持つ教員の割合が低い傾向にある。特に、児童生徒の自己肯定感や学習意欲に関わる項目について低い。(中略)ただし、このような結果が出た理由として、日本の教員が他国の教員に比べ、指導においてより高い水準を目指しているために自己評価が低くなっている可能性や実際の達成度に関わらず謙虚な自己評価をしている可能性もある。」と評しています。

続いては、「学級の規律と学習の雰囲気」に関する調査の結果です。

  報告書では、「学級の規律と学習の雰囲気について、日本はよい結果を示しており、例えば、『児童生徒が授業を妨害するため、多くの時間が失われてしまう』教員の割合は、中学校は参加国中2番目に低く、小学校は参加国中で最も低い。」とコメントしています。

この結果は、前述のとおり、謙虚な自己評価をしている可能性のある日本の教員が控えめに評価したものであると考えれば、日本の多くの教室が、落ち着いた雰囲気であることに疑いの余地はありません。また、落ち着いた雰囲気を創るうえでの優れたノウハウを持った教員が多数いるとも考えられます。

雰囲気づくりの肝は、学年はじめの対応にあります。初任者をはじめ、まだその自信が持てていない人は、新年度がスタートする前に、ベテランに意見を求めたり指導を仰いだりするとよいのではないかと考えます。

この困難な状況を若手もベテランも一丸となって乗り越えるとともに、4月からの教育活動がこれまで以上に充実したものとなるよう準備を進めていきましょう。

 

 

義務教育課だより(令和2年2月1日) 

              義務教育課だより 2月号
 

現代では、スマートフォンやタブレットなどの普及が進み、ペーパーレスでの会議、キャッシュレスでの決済など、社会のあらゆる場所でICTの活用が日常のものとなっています。Society5.0の社会を担っていく子供たちにとっては、今後ますますPCやタブレットは、必須アイテムとなっていくことが予想されます。

昨年12月、文部科学省は時代の動きを踏まえて、GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想を発表しました。


GIGAスクール構想の実現を目指して

この構想においては、次の2点が掲げられています。

○ 児童・生徒向けの一人一台の学習者用コンピュータ導入

○ 全学校での高速ネットワーク環境の整備

その主なねらいは、一人一人に応じた最適で効果的な学びの場を提供することです。子供の「学びたい」という気持ちに応えるために、そして、これからの時代を生き抜く資質・能力を身に付けるために、デジタル教科書やAIドリルの活用、遠隔・オンライン教育など、GIGAスクール構想の実現によって、全ての子供たちが、全国どこにいても、等しく質の高い教育を受けられる環境がつくられます。

 

文部科学省HPより(https://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/08/29/1420671_07-1.pdf)P34

これは遠い未来の話ではありません。「GIGAスクール構想の実現ロードマップ」によると、国や市町のバックアップを受け、令和5年度までには全ての学校の「一人一台環境」が整う計画となっています。さらには、既にOECDのPISA調査で実施されているようにコンピュータを利用した試験(CBT試験)も、いろいろな分野や機会において広まっていくでしょう。先日の文部科学大臣の会見でもありましたように、全国学力・学習状況調査も近い将来このCBT試験に変わっていくものと思われます。

ICT機器を効果的に使用した、今までとは違った授業が、どの教室でも当たり前に展開される日常が、すぐそこまでやって来ているのです。


文部科学省HPより(https://www.mext.go.jp/content/20191227-mxt_syoto01_000003278_06.pdf)

ICT環境の整備・活用は、「目的」ではなく「手段」

今後は、新しい機器等の導入を見通しながら、整備された環境を積極的に活用するとともに、教育活動全体を見直していく必要があります。

2か月後の4月から、小学校ではプログラミング教育が必修化されます。各学校では、これまでの準備期間において、どの学年のどの教科等で学習するのが効果的かなどを検証しながら、全体計画の作成・改善に取り組んでいることと思います。ここで確認しておきたいのは、ICT機器を使うことが「目的」となってはならないということです。各教科等で子供に身に付けさせたい資質・能力がまずあって、その定着向上を図る上で、ICT機器の活用という「手段」を用いれば、子供の思考・判断・表現する場が活性化する。この順序性を大切にしていただきたいと思います。

ICTが日常に溶け込んでいる現代において、子供は私たち大人が考えている以上に、ICT機器の操作やSNSの利用など、新しいものへの順応が早く、その便利さや手軽さを感じ取っています。その子供たちを相手に、私たち教師には、ICT機器の使い方を教えるだけにとどまらず、「使って何ができるのか」、未知の状況に対応するために「どのように使うのか」、ICTの活用とともに「どうよりよく生きるか」ということを、学校教育の中できちんと体験させ、学ばせることが求められます。

 だからこそ、まずは教師自身のICT活用の経験が重要となります。例えば、Web会議システムを使ったやり取りや、Webによるアンケートの実施と集計及び分析、デジタル教材を活用した資料の共有など、教師がICTを幅広く活用することは、子供たちの学びの活性化だけでなく、自分たちの業務改善のヒントを見いだすことにもつながります。

 個々の取組や研修の成果等を各学校や学校間で共有するとともに、先生方が創造性を発揮し、豊かさと便利さを楽しむ気持ちの余裕をもちながら、子供たちとともによりよいICT教育を推進していただきたいと思います。

義務教育課だより(令和2年1月1日)

     義務教育課だより 1月号
 

明けましておめでとうございます。2020年、オリンピック、パラリンピックイヤーがいよいよ幕を開けました。また、小学校では、4月から新学習指導要領が全面実施となります。

今月は、新学習指導要領における「学習評価」について情報提供します。


学習評価の変更及び留意点 

 今回の改訂では、学習指導要領の目標及び内容が資質・能力の三つの柱で再整理されたことを踏まえ、評価の観点も下図のように「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で示されています。(シート①)

学習評価については、現行の学習指導要領においては次のような課題が指摘されており、今回、その改善が図られることになりました。(シート②~④)

 

 

「主体的に学習に取り組む態度」の二つの側面とは? 

「主体的に学習に取り組む態度」の評価は、現行の「関心・意欲・態度」の評価の趣旨と大きく変わるものではありません。 

これまでどおり、学習のめあてや見通しを子ども自身に考えさせることや、学習の最後に振り返りの場面を設けて目標の達成状況を自己評価させることなどが求められます。また、学習の途中でそのやり方などを調整しているかを見取ることも大切であり、適切なタイミングでワークシート等に記述させ、子どもの内面の変化を捉えるなどの工夫が求められます。その際、シート④に示す二つの側面を意識することが重要となります。算数を取り上げて説明します。 

「粘り強い取組を行おうとする側面」の例 

問題解決の過程において、答えが出たら終わりではなく、「振り返って確かめる」、「別の解き方を考える」、「より簡単な方法や分かりやすい方法を探してみる」ことを行い、自分で判断しようとする側面 

「自らの学習を調整しようとする側面」の例 

問題解決の過程において、ノートを見直して、既習内容を振り返ったり、友達の考え方を参考に別の考え方を使ってみたりしようとする側面 

二つの側面は、別々ではなく相互に関わり合いながら立ち現れることに留意しましょう。適切に評価していくためには、ワークシートやノートの記述のみを見取るのではなく、多面的な評価を意識することも大切です。例えば、

○ 問題を解決するための構想を立てる場面や振り返りの場面での取組の様子を観察し、評価する。 

○ (発言や記述が十分にできにくい児童については、)学習の内容や方法について個別に面談を行い、面談の内容を評価に生かす。 

 などが考えられます。 

※ なお、「主体的に学習に取り組む態度」は、学習活動を通して身に付けた態度を評価するため、単元や小単元等の導入、単一の授業の冒頭での評価を「記録に残す評価」として扱うことは適切ではありません。 

お知らせ 

先日、文書でお知らせしたとおり、現在、国立教育政策研究所が作成している「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料(案)」を義務教育課ホームページに掲載しました。評価規準の作成や評価場面を検討する際の参考にしてください。【第3編】(作成途中)には、各教科等における「指導の計画から評価の総括まで」等の事例が示されています。教科等によっては「知識」と「技能」又は「思考」と「判断」と「表現」を分けて考えるものもあるので、【第3編】をよくご覧ください。 

今後も、目標と指導と評価の一体化を図り、主体的・対話的で深い学びの視点に立った授業改善に取り組んでいただきたいと思います。 
                                         愛媛県教育委員会 義務教育課HP



義務教育課だより(令和元年12月1日)

     義務教育課だより 12月号
 

今月は、11月2日に行われました「プログラミング名人フェスタinえひめ」の様子を紹介します。

 プログラミング名人フェスタinえひめ

 「プログラミング名人フェスタinえひめ」は、令和2年度から小学校で必修化されるプログラミング教育の充実に向けた県教育委員会の取組の一つで、昨年度に引き続いての開催となりました。今年度は、児童・保護者等、計350人を超える参加者があり、子どもたちは、午前と午後に分かれて、絵やロボットなどを実際に動かすプログラミングを体験しました。

 フェスタ後のアンケート結果によると、「プログラミングへの興味や関心が高まった」とする児童が100%、「プログラミングを体験できる機会があったらまた参加したい」とする児童が97.3%でした。また、児童と同様の質問をした保護者のアンケート結果を見ても、肯定的な回答がほぼ100%で、保護者のプログラミングへの興味や関心の高さを改めてうかがうことができました。

 フェスタに参加した企業の方々及び運営に携わった先生方の感想を一部紹介します。

 


 <
企業の方々からの感想>

○ 当初は、小学生がプログラミングに対して、どれほどの興味を持っているのか見当もつかず、動くもの(ロボット)などに興味があるのではと予想していました。

講義が始まる前から、小学生が、既に分かっているかのようにフローチャートを触ったり、保護者に教えている場面があったりして、普段からスマホやパソコンに触れているのがよく分かりました。また、理解の速さに驚きを隠せませんでした。

○ 30分間の体験の中で、私は初めの10分ほどしかプログラミングの説明をしておらず、残り時間のほとんどは、子どもたちが自分たちで試行錯誤をしていました。

このように、逐一指示をしなくてもゴールに向かって取り組む姿に、子どもたちの能力の高さを垣間見ることができました。

  次年度以降の同様のイベントでは、子どもたちやその保護者だけでなく、ぜひ学校の先生方にもご覧いただければと思います。
 
  

<運営に携わった先生方からの感想>
 

○ 愛媛県内の小学生がプログラミングに触れるイベントに関わり、小学生の関心の高さを実感しました。「学校で習ったことがある」と答えた児童がおり、プログラミング教育の先行実施がしっかりとなされていることを感じました。

保護者の関心も高く、ビスケットはインターネット環境があればできるということを知らせると、家でもやってみたいと答えた方が多くいました。プログラミング教育に関する情報を家庭にも発信することで、様々な学習の機会が提供できるのではないかと感じました。

○ 子どもたちも保護者もとても意欲的で、プログラミング教育への関心の高さに驚きました。また、子どもたちがパソコンの操作に慣れるのが早く、指導者側も操作のスキルを高めていかなければならないと感じました。

プログラミング教育が、教科の学習の効果を高められる一つの手段であることを保護者の方々に理解してもらえたので、安心しました。

○ まず、児童、保護者の関心の高さを感じました。他教科のイベントと比べてケタ違いの熱気だったと思います。いかにプログラミングが注目を浴びていて、かつ児童の興味と関心をひいているかがひしひしと伝わってきました。

プログラミング教育は、先行実践レベルから現実レベルに段階が進んできているのだと思いました。いよいよ「目の前のこと」になっているということです。小学校の先生方に、プログラミング教育は「大丈夫ですよ」「できますよ」と伝えたいです。


 「義務教育課だより5月号」でもお伝えしたとおり、プログラミング教育で大切なことは、まず、先生方が体験してみることです。やってみると、思ったより簡単なことに気付くはずです。県教育センターの「えひめプログラミング教育ホームページ」などを参考に、各教科の学びをより確実なものとする手段でもあるプログラミングを学習過程に積極的に取り入れ、子どもたちの学習意欲を高めつつ、子どもたちに確かな学力を身に付けてもらいたいと思います。
 

 

義務教育課だより(令和元年11月1日)

      義務教育課だより 11月号
 

ずっと夏のような暑さが続いていましたが、いつの間にか木々は色付き、風もようやく秋めいてきました。2学期も後半に入り、各学校・地域においては、特色を生かした様々な教育活動、授業研究会等が盛んに行われていることと思います。

今月は、先日、文部科学省から公表された「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を踏まえ、今、学校現場に求められていることを見つめ直したいと思います。

キーワードは“初期対応”

同調査結果を出現率(1,000人当たりの発生件(人)数)で見ると、愛媛県における暴力行為発生件数は、前回に引き続いて全国第1位の低さでした。また、いじめの認知件数の出現率は全国第5位の低さ、前年度より98件の減(県内公立小・中学校では114件減)でした。いずれの結果についても、日々、先生方が子どもたちにしっかりと向き合い、問題の早期発見・解消に努められた成果の現れであると捉えています。

一方、不登校児童生徒数の出現率は全国第3位の低さではあるものの、県内の公立小・中学校では前年度より212人も増えていました。学校現場における早急な対応が求められます。

同調査結果における愛媛県の不登校の理由として最も多かったのは、今回も、小・中ともに「登校への不安」でした。この漠然とした理由に向き合う上で、まず大切なのは、いじめと同様、日頃から子どもたちの発するサインを敏感にキャッチするように努め、できるだけ早くに、適切に対応することではないでしょうか。

先日、滋賀県大津市教育委員会が、市立小中学校から寄せられた、いじめに関する報告約9,000件をAI(人工知能)で分析した実証実験の結果を公表しました。その中で特に目を引くのは、いじめの把握から24時間以内に加害者を指導した場合、被害者が不登校になるなど事態が深刻化する割合が半減する傾向にあるという分析結果です。当然のこととはいえ、初期対応の重要性を改めて認識させられる結果であると思います。

また、子どもたちの不安の要因として、よく「中1ギャップ」が挙げられます。本県での調査では、複数の小学校から入学してくる中学校は、一つの小学校からの中学校よりも、不登校になる生徒の割合が高いことが明らかになっています。

その不安解消に向け、30年以上も前から市を挙げて取り組んでいるのが、八幡浜市です。当市では、中学校区をブロックとした交流活動を推進しています。各ブロックにおいては、小学生が中学校へ、あるいは、中学生が小学校へ出向き、朝、門の前でハイタッチしながら挨拶をしたり、中学生が各出身小学校に戻って交流の場を持ったり、同じ中学校に進学する小学生が一堂に会して交流したりするなど、近隣の小・中学生同士のつながりを深める活動を充実させています。また、西条市では、平成27年度から丹原東中学校区の4つの小学校でICTを活用した遠隔合同授業を実施しており、中1における不登校が、3年間で大幅に減少したという報告もされています。他にも、中学校という「場」に慣れるための小中乗り入れの授業や体験活動等が、多くの学校・地域で行われています。

 このように、県内にはたくさんの好事例があります。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど外部人材・専門家の効果的な活用も促進されつつあります。これらを参考にしながら、今後も各学校や地域の実態に応じた、積極的な生徒指導を推進し、より多くの子どもたちが愛顔で学校生活を送れる環境を整えていただきたいと思います。


義務教育課だより(令和元年10月1日)

 義務教育課だより 10月号
 
 
来年度からの小学校学習指導要領全面実施に向けて、外国語活動・外国語の授業について、各小学校で、また、地域の小・中学校が連携を図りながら、研究を進めていることと思います。

今月は、主に「小学校外国語活動・外国語」の授業の参考となるサイトを御紹介します。※中学校外国語でも参考になります。

小学校外国語活動・外国語 関連サイト
文部科学省HP
 〇小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1387503.htm

〇文部科学省mextchannel

 動画配信サイトYouTubeの文部科学省公式チャンネルです。外国語活動・外国語の授業に活用できる動画が多数あります。

Small Talk(スモール・トーク)

https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbCezq1TvzGw6E-z0kmhKqKj

クラスルーム・イングリッシュ

https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbDlUWRy-Q2GRrIJ6e0kC1gV

基本英会話

 https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbDMo7KkufPloHCV-HrsHPYa

スピーキング・トレーニング

 https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbCB54hi1s1fB6kjNEMOn4U6

発音トレーニング

https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbAbbrWCHR3kTqTYvOwv6lxF

 

〇中学校外国語:移行期間における指導資料(小中接続・帯活動)

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1414459.htm

 

〇新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/houkoku/1382162.htm

英語教育ポータルサイト『えいごネット』  

 英語教育ポータルサイト『えいごネット』は、英語教育のより一層の充実を図るため、英語教育に関する有益な情報を収集し、主に全国の英語教員に向けて周知を行うポータルサイトです。【運営:一般社団法人英語教育協議会(ELEC)】

〇教材・素材をさがす

   http://www.eigo-net.jp/find_materials/

 

〇事例・指導案をさがす

http://www.eigo-net.jp/find_guidance/

 

〇指導力を向上させる

   http://www.eigo-net.jp/leadership/

来年度からの小学校学習指導要領全面実施に向けて、「小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック」(平成29年6月30日発行 文部科学省)などを基に、各小学校内で、また、地域の小・中学校で連携を図りながら、指導方法について研究を進めていきましょう。

ポイントは「英語が好き」という気持ちを高めることです。言うまでもなく、「好きこそものの上手なれ」。小学校、中学校と年齢が上がるごとに英語好きの児童生徒が増えていくことが、愛媛の子どもたちの将来の選択肢をぐんと広げるのではないでしょうか。



義務教育課だより(令和元年9月1日)


        義務教育課だより 9月号


 夏休みが終わり、元気な子どもたちの姿が学校に戻ってきました。1年間で最も長い2学期、各学校では、子どもたちを大きく成長させるたくさんの行事が予定されていることと思います。2学期はまた、学習や読書等にも時間をかけてじっくり取り組むことのできる学期でもあります。子どもたちにとっても、先生方にとっても、実りの多い4か月となることを期待しています。

今月は、「全国学力・学習状況調査」に関する話題を取り上げます。

全国学力・学習状況調査 ~なぜ、知識・活用を一体的に問うのか~

 今年度の全国学力・学習状況調査は、知識・活用を一体的に問う形で出題されました。文部科学省は、これまでの十年あまり、知識、活用を分けて出題してきました。これにより、知識に関する問題を通じて全国的に学力の底上げが図られた、活用に関する問題を通じて授業改善の取組が学校現場に広がったなど、一定の成果があったと分析しています。

このたびの形式変更の背景には、新学習指導要領における資質・能力の三つの柱は、相互に関係し合いながら育成されるものであるとの考え方があります。

三つの柱とは、以下のとおりです。

◆生きて働く「知識及び技能」

◆未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」

◆学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」
 例えば、次の小学校国語の問題では、「公衆電話は、わたしたちにとって必要がなくなってしまったのかどうか」ということに対する自分の考えを書く場面が取り上げられました。

 本問には、小問が七つあり、従来は「知識」単独で分類されていた漢字の問いについては、3問とも「知識」と「活用」を合わせる形で出題されました。単なる知識として習得した漢字を、文脈に沿って正しく使いこなせるかといういわゆる活用の場面を意識した出題形式になっています。

その一つが「…多くの友達に伝え、公衆電話についてかんしんをもってもらいたい…」という文脈で使われる同音異義語「かんしん」を書かせる問いです。

正答である「関心」の全国(公立)の平均正答率は、33.2%でした。誤答分析によると、実に52.8%が「感心」と答えていました。

また、次の小学校算数の問題では、四則の混合した整数と小数の計算が正しくできるかが問われました。算数においても、従来は「知識」単独で分類されていた計算問題が、今回は「知識」と「活用」を合わせる形で出題されました。

 ここで取り上げられた「6+0.5×2」は、H1929年度の二度に渡り、単純な計算問題(知識)として出題されていました。しかし今回は、式の意味を考え、計算を正しく行うことを意識させるために、具体的な日常生活の一場面(活用)を取り上げた出題形式になっています。今回は、立式の過程が図や言葉で丁寧に示されているため、全国の平均正答率は上がるのではないかと見られていましたが、過去二回は68.9%(H19)、66.6%(H29)であった正答率が、今回60.1%に下がりました。ちなみに、本問における愛媛県の平均正答率は75.8%と全国を大幅に上回っており、先生方の指導力の高さや、子どもたちが根気強く問題に取り組んだことがうかがえます。

新学習指導要領の評価の観点である「知識・技能」については、他の学習や生活の場面でも活用できる程度に概念等を理解したり、技能を習得したりすることが重要となってきます。いわゆる「生きて働く知識及び技能」の定着度については、例えば、10問程度の簡単な形式の漢字や単語テスト、単純な計算問題だけでは評価しきれません。

この点については、学習指導要領の移行期にある今、教科を超えて共通理解を図る必要があります。「知識・技能」の捉え方を変えることは、「主体的・対話的で深い学び」の視点に沿った授業改善にも直結します。

県教育委員会では、県学力診断調査における調査問題や学習シート等において、新学習指導要領が目指す資質・能力を踏まえた学習資料を作成していきたいと考えていますので、「愛媛学びの森」にアップする新たな資料等に注目し、適宜、御活用ください。



義務教育課だより (令和元年8月1日)

                   義務教育課だより 8月号

 

つい先日のこと、例年より遅く梅雨が明け、夏本番がやって来ました。一学期末の慌ただしさから少しだけ解き放たれ、朝、眩しい太陽と蝉の声に包まれながら目覚めるなど、季節を感じながら、充実した夏休みを過ごされている方も多いのではないでしょうか。

今月の「義務教育課だより」では、「小・中学校教育課程説明会」に関する話題を取り上げます。

小・中学校教育課程説明会

いよいよ新しい学習指導要領が、来年度には小学校で、令和3年度には中学校で全面実施となります。新学習指導要領について先生方にお伝えする機会としては、本年度が最終年度となります。

本年度も、小学校部会は、多様な教科等について情報を得られるよう、午前と午後で異なる教科等の部会に参加する構成に、一方、中学校部会では、一つの教科等についての理解をより深める機会となるよう、十分な時間を確保する構成にしています。

その中で、過去2年間の説明会では触れていなかった「学習評価」について、今年度は初めて触れます。今回は、新しい評価の実践事例を示すことはできませんが(文科省も、まだ示していません。)、評価の考え方について解説します。

なお、今年度お伝えする内容のうち、特に大切なポイント5点を以下に示しますので、確認とともに、今後の確実な実践に努めてもらいたいと思います。

◆ 今回の学習指導要領改訂では、「社会に開かれた教育課程」を実現

 ☆ 本年度の全国学力・学習状況調査、中学校英語においては、「判断し意見を述べる」「意見交換をする」等の活動を想定した出題が見られた。

◆ 情報活用能力を「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け、学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実を学習指導要領に明記

☆ 小学校プログラミング教育について、まだ校内での実践がなされていない学校においては、今年度中の試行(実践)及び共通理解の促進が望まれる。

◆ 学習評価を真の学習改善・指導改善につなげることが重要

◆ 観点別学習状況の評価は継続

◆ 観点を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理

☆ 特に、「知識・技能」については、既有の知識や技能を活用する活動の中で理解や技能習得ができているかを評価

⇒ この学びの実現状況が分析できるよう、本年度の全国学力・学習状況調査の国語、算数・数学は、「知識」と「活用」を一体的に問う形式で出題された。

10年後、20年後の社会を、今、先生方の目の前にいる子供たちが担っていくことになります。予測困難なこれからの世の中をたくましく生き抜く子供たちを育てるために、教育課程説明会で得られた情報を、二学期からの教育実践に生かしてもらいたいと思います。


 

 

義務教育課だより(令和元年7月1日)

                           義務教育課だより 7月号

 7月になりました。今年の梅雨入りは、6月26日でした。昨年に比べて21日遅い梅雨入りとのことです。
 「義務教育課だより」では、県内教職員の皆さんに、研修を中心に様々な情報を提供しています。今月は、「業務改善の実践」について紹介します。「学校における働き方改革」は、先生方の人生を豊かにする時間を作り出すことで、教育活動のより一層の充実に結び付けるための取組です。
 県内各地域の小中学校から聞き取った、次の実践例がそれぞれの学校の実情に応じた実践へとつながっていくことを期待しています。

業務改善の実践に向けて
○ 「DCAPサイクルの推奨」 
                    東予・中学校 学級数11 生徒数234
 学校行事等の教育活動後に、次年度の計画を立案しておくという直後プラン型を推奨し、紙媒体や電子媒体での、引継ぎへの準備も確実に行うようにしている。年度や担当者が変わったとしても手探りの状態を避けられ、次年度の負担軽減につながることを教職員も理解し、DCAPサイクルが軌道に乗りつつある。


○ 「タイムマネジメント」   
                    東予・小学校 学級数14 児童数250
 教職員一人一人が翌月の退勤時刻の予定を立て、「退勤予定時刻一覧表」を作成し、職員室前に貼るようにしている。自己管理が大切であるという意識が高まりつつあり、退勤時刻を守って早く帰ろうとする教職員が徐々に見られ始めた。

○ 「働き方改革推進計画」   
                 中予・小学校 学級数21 児童数546
 教育計画に働き方改革の視点を位置付けるとともに、推進計画を策定して、組織的に取り組んでいる。スクール・サポート・スタッフの活用に当たっては、業務依頼シートによって効率的に依頼業務が進むよう改善している。また、一覧表によって管理職が業務量を確認し、平準化を図っている。さらに、目標管理制度に業務改善に係る個人目標を設定することにより、一人一人の意識変革を図りながら組織全体の取組を進めている。

○ 「登校時刻の指定」     
                 中予・中学校 学級数14 生徒数380
 生徒の登校時刻を8時から8時10分までの間に指定した。これまで始業前に行っていた集会のリハーサル等、朝の活動を制限した。また、朝学習やあいさつ運動の時間も変更した。教職員にとっては、朝の時間にゆとりが生まれ、一日の業務を円滑にスタートすることができている。


○ 「職員会議紙文書の廃止」  
                 南予・中学校 学級数8  生徒数206
 今年度の職員会議から、グループウェアの掲示板を活用することで、紙文書での資料配布を廃止した。紙文書を印刷・製本する時間が節約でき、必要な者だけが印刷すればよいため、用紙の節約にもつながっている。
 
○ 「タイムカードと校務支援システムの活用」
                 南予・小学校 学級数10 児童数191
 勤務時間を客観的に把握できるよう、校務支援システムと連動したシステムを構築した。教職員一人一人が客観的に自己を振り返り、タイムマネジメントを意識するようになり、意識改革が進み始めている。
 
○ 「目標管理シートの活用」     
                 東予・小学校 学級数4  児童数38
 学級経営案の代わりに目標管理制度を活用することで、教職員の負担軽減を図った。目標管理シートに学級経営方針を明記することで、管理職と教職員が目標を共有して学校運営、学級経営に取り組むことができる。また、風通しのよい小規模校の特色を生かし、日頃の対話を大切にすることで、これまで週案に記入していた1週間の振り返りと所見を廃止した。

                 中予・小学校 学級数27 児童数744
 学年・学級経営案の内容を、目標管理シートに統合させることにより、学級担任の事務負担の軽減を図った。また、目標管理シートには、個人目標に業務改善の項目も設定するようにしている。

                 南予・中学校 学級数14 生徒数415
 年度当初提出する様々な経営案を、目標管理シートに集約した。作成への負担を軽減するとともに、その経営に関する目的や目標を、一人一人が常に意識できるようになった。 
 
教職員業務改善モデル事業
 愛媛県教育委員会では、平成29年度から文部科学省委託事業「学校現場における業務改善加速のための実践研究事業」を受託し、これまでに新居浜市、西条市、松前町をモデル地域に指定して実践研究を進めてきました。今年度3年目となる本事業は、新たに今治市、八幡浜市を加え、西条市、松前町と合わせて3市1町のモデル地域において実践研究に取り組むこととなりました。
 来年1月には、県内の全市町が集まって成果報告会を開催し、モデル地域の取組発表、意見交換等を行い、県内に研究成果の普及を図る予定です。
 
 

義務教育課だより(令和元年6月1日)


義務教育課だより 6月号
 6月、梅雨の季節になりました。すくすく育つ早苗の間から、カエルの合唱が聞こえてきます。
 県内教職員の皆さんに、研修を中心に様々な情報を提供する「義務教育課だより」。今月は、「長期社会体験研修」について紹介します。平成30年度には、4名の先生が、介護老人保健施設、印刷会社、県民球団、スーパーマーケットで、1年間の研修を受けました。先生方の報告書の一部を紹介します。
「長期社会体験研修」報告書より
  •  (自分の中の変化したことは)今まで以上に謙虚に他人の意見を聞いたり、考えたりするようになったこと。
  •  チームで相談し、そのことを職員全体で共通理解して仕事を行うことで、利用者に適切な支援ができたり、利用者、家族の思いに寄り添うことができる。共通理解・共通実践をチームとして行うことは、教育現場にも絶対に必要。
  •  職員の数は少ないにも関わらず、周りを見てすぐに行動をしている姿を見習いたい。
  •  疲れているであろうと思われる状況でも、笑顔と柔らかい言葉で話をされる様子にプロ意識を感じた。
  •  それぞれの仕事に自信をもち、互いに信頼し合っている安心感のある職場環境が、穏やかな人づくりにつながっている。
  •  経験を積んだ社員が、経験の少ない社員を教え、育てる。経験の少ない社員は進んで質問して学ぶ。そして、互いに成長していく。こうした「育ち合い」により生まれる社員同士の強いつながりは、想像を超えた大きな力を生む。学校現場でも非常に重要。
  •  学校以外の様々な立場にいる方々と接することで、社会人としてのマナーを知り、見識を深めることができた。
  •  心を込めた電話や来客への対応は、開かれた学校づくりにとって大切である。
  •  最も強く感じたことは、自分はあらゆる人に支えられて生活しているということ。
  •  教師自身がチャレンジし自らも成長し続けていくことが必要。
  •  (研修で得た)経験や心構えを生かし、常に笑顔を忘れず、子どもや教師同士のコミュニケーションを大切にし、教師も子どもも「うれしい、楽しい教育活動」につなげたい。
 4名の先生方の言葉からは、充実した研修の様子が伝わってきます。学校現場を一時離れたからこそ、気付かされた、改めて認識させられた事柄が多々あったようです。
 報告から浮かび上がってくるキーワードは、「チーム」と「つながり」です。例えば、注文の内容、納期や進捗状況の確認、納品の方法、納品後のケア・・・・・。あらゆる場面で、「報告・連絡・相談」を密にしながら、仕事が進んでいきます。チーム一丸となって、スピード感をもって業務に当たる中で、顧客や利用者とのつながり、社員同士のつながりが強まり、更なる成果が生まれています。
 「チーム」も「つながり」も、学校が組織として機能し、児童生徒を最大限に伸ばすうえで、欠かせない要素と言えます。4名の先生方の報告が、各学校の業務改善に少しでも寄与すれば幸いです。

義務教育課だより(令和元年5月1日)

 

義務教育課だより 5月号


~新時代の幕開け~

いよいよ5月、新しい時代「令和」の幕開けです。

令和の時代が県内全ての子どもたちと先生方にとって幸せな時代となることを切に願います。

先月の「義務教育課長メッセージ」でお知らせしたように、今月からは「義務教育課だより」として、県内教職員の皆さんに、研修を中心に様々な情報を提供していきます。

今月は、「プログラミング教育の推進」と「愛媛県小・中学校初任者研修での義務教育課長講話」について紹介します。


プログラミング教育の推進

  令和2年度から、小学校では、プログラミング教育が必修化されます。

  ねらいは、「見通しをもち、筋道を立てて考える力を養う」ことです。このことは、算数や理科だけでなく、例えば、国語における作文の構成を考える学習、家庭科における調理の手順を考える学習などで、すでに実践されています。

  このときに、コンピュータを使うと、児童に次のような良さを実感させたり体験させたりすることができます。

・コンピュータのもつ情報処理力の高さや操作の面白さを味わう。

・特に、手作業では膨大な時間を要する作業があっという間にできる。

 ・トライ&エラー(試行錯誤)しながら、難題を解く。

  大切なことは、先生たちが体験してみることです。やってみると、意外に簡単であることが分かります。児童に体験させると、皆が夢中になって取り組みます。

  一つ忘れてはならないことがあります。それは、「プログラミングは、あくまで各教科等の学びをより確実なものとするための手段である」ということです。

以下、プログラミング教育の充実に向けた、県教育委員会の取組の一端を紹介します。

〈えひめプログラミング教育ホームページ〉

県総合教育センターのHPに、「えひめプログラミング教育ホームページ」というバナーがあります。ここには、「プログラミング教育って、いったいどのような実践をすればいいの?」と新しい教育活動に戸惑いを覚えている先生方にとって参考になる情報がいっぱい詰まっています。「愛媛学びの森」からも閲覧できますので、ぜひ授業実践や研修に活用してください。
〈プログラミング名人フェスタinえひめ〉

昨年11月、県内外の企業、愛媛大学教育学部等の協力のもと、「プログラミング名人フェスタinえひめ」を開催しました。当日は、約200名の参加がありました。ロボットを制御したり、絵を動かしたりするプログラム体験を行ったところ、教員にも、子どもにも、そして、保護者にも好評で、プログラミング教育に対する興味・関心の高さがうかがえました。

  今年度も、同フェスタを開催し、学校におけるプログラミング教育の一層の充実と子どもたちの意欲の喚起に努めていきたいと考えています。



「新任教職員に期待する」(義務教育課長講話)

新規採用教職員となったことはゴールではなく、新たなスタートです。次の三つのことを大切にし、よい意味での緊張感をもって、大切な一年を過ごしてください。

1 「子どもを守る」

子どもを守ることは、教職員の大きな使命です。

まずは、いじめ対応。鍵となるのは、早期発見・早期対応です。初期対応を誤ると大きな問題へと発展します。また、児童虐待は、発見したら、即、通報する義務があります。子どもの様子がおかしいと感じたときは、ためらわずに上司に相談しましょう。守秘義務は問われません。

次は、事故防止についてです。教職員の業務には、多数の子どもを一人で見る場面がしばしばあります。子どもがけがをしないよう、常に気を付けなければなりません。また、けがをさせないためにも、教師は危険を察知する目をもつ必要があります。特に、中学校では、部活動中の事故・けがに気を配りましょう。

さらに、災害が起きた時の対応を理解しておくことが大切です。例えば、地震対応では、教室、体育館、授業中、休憩時間等、様々な場面を想定し、それぞれの場合にどういう指示を出す必要があるかということを考えておきましょう。また、「落ちてこないか」「倒れてこないか」「動いてこないか」という視点で、各教室等の環境を把握し改善しておくことも重要です。

2 「子どもと共に育つ」

子どもは皆、「成長したい、伸びたい」という気持ちをもっています。前向きになるスイッチを入れると子どもは伸びます。「(適切なタイミングで)先生に褒められたい」という気持ちをもっていることも、常に頭に置いておきましょう。

また、子どもに教えられるとは、自分自身の指導の足りないところを教えられるということです。子どもがうまくできないときは、自分のやり方を変えるという姿勢が大切です。

次に、教員は、「テストはどうあるべきか」を考える必要があります。テストでよい点が取れなかった子どもは、「自分はできない」と思い込みがちです。例えば、記述式の問題で、一生懸命書いた子どもの頑張りを評価するなど、チャレンジを認める指導と評価の在り方を考えてもらいたいと思います。

今後、働き方改革が進んでいきます。仕事のやり方を見直して、生まれた時間を有効に使って、自己研鑽に励みましょう。教員の仕事は特殊で、自分一人で担う仕事が多くあります。そのことを肝に銘じて、スキルアップを目指してください。

3 「初心忘るべからず」

新規採用教職員のもつフレッシュな感じが子どもをわくわくさせ、それが大きな武器になります。反面、甘んじて努力を怠れば、子どもが離れていくかもしれません。学校には様々な先輩教職員がいます。一人一人のよさに目を向け、どんどん吸収してほしいと思います。

「初心忘るべからず」という言葉があります。この言葉は、「初心者の頃の新鮮な気持ちを忘れてはならない」と解釈されがちですが、「未熟者だったころの恥ずかしい自分に戻らないようにする」という受け止め方もあります。

最後に、将棋の羽生善治氏の言葉を贈ります。

「三流と言われる人は、人の話を聞かない。二流は人の話を聞く。一流は人の話を聞いて実行する。超一流は人の話を聞いて工夫する。」

今日は、「工夫」という言葉を何度も口にしました。皆さんには、是非、工夫する教職員になってもらいたいと願っています。

義務教育課だより(平成31年4月1日)


≪風通し≫

新年度が始まりました。

桜の花びらが舞う中、県内各学校では、進級、入学に胸を躍らせている子供たちを迎える準備に余念がないことと思います。

教員の働き過ぎが注目される中、去る1月末、学校における働き方改革に関する中教審答申、文科省による勤務時間の上限に関するガイドラインが示されました。本答申の中で注目したいのは、「果たして、この仕事は教師の専門性が求められる仕事か」という視点です。

今後、答申・ガイドラインを受けて、各地域・市町・学校において、必ずしも、学校・教師が担う必要がない仕事について、中心となる担い手を学校・教師以外に移す取組が進むものと思われます。同時に、学校・教師が担うべき仕事についても、例えば、不要な会議の削減、会議終了時刻の設定など、各学校において、業務全般の更なる見直し、更なるスリム化が図られることを期待します。

年度が改まるに当たって、忘れてはならないのが、昨年7月に発生した西日本豪雨です。先月の時点で、およそ100名の小中高校生がいまだに自宅以外での生活を、その約半数が避難所生活を送ることを余儀なくされています。

被害の大きかった地域へ、教職員が何人も、また何度も支援に向かったこと。子どもが学校にいる中、雨量が増した地域では、管理職の的確な判断により大きな被害を免れた学校があったこと。宇和島市の校長会において、対応の記録が丁寧にまとめられたこと。

貴重な教訓・資料を、今後に、確実に引き継いでいかなければなりません。

東日本大震災では、日頃からの地域との連携協力体制が教職員の業務に大きく影響したそうです。日頃から連携ができていた学校では、地域の自治による避難所運営に円滑に移行でき、教職員が、本来業務である児童生徒等の安否確認や学校再開に向けた活動に専念することができました。一方、連携が取れていなかった学校では、長期にわたって教職員が避難所運営の中心を担ったとのことです。

ここでいう日頃からの連携が、災害発生を想定した連携を意味していることは言うまでもありません。働き方改革を進める中にあって、地域行事への参加縮減は欠かせない視点であると思われますが、こと防災に関しては別物、地域の防災組織、自治組織との連携協力体制の構築・維持は、日頃からしっかりとやっておくべきと考えます。

また、防災に限らず、子供を守る、学校・教師を守る上で、学校内外の「風通し」の良さを保っておくことは重要な要素です。前述の「学校・教師が担う必要がない仕事」を依頼する際、地域や外部機関との風通しのいかんは、支援体制の強弱を左右します。

子供が安心して生活し、「着実に伸びる」学校とするために、そして、教職員が専門性を高め、子供たちを「着実に伸ばす」取組をチームワーク良く進めるために、子供同士の風通し、子供と先生との風通し、先生同士の風通し、先生と保護者との風通し、学校・教師と地域との風通し、言い方を少し変えると、「意思疎通」や「意思疎通がもたらす安心感」といったものを、日々意識したいものです。

なお、昨年度まで、毎月、義務教育課長メッセージをアップしていましたが、来月からは、「義務教育課だより」として、教職員研修を中心に様々な話題を取り上げ、情報提供をしていきたいと思います。今年度も、よろしくお願いします。


 

義務教育課長メッセージ(平成31年3月1日)

 

『 一期一会 』

春は、多くの別れと同時に多くの出会いがある季節です。

 本日3月1日は、県内各地で、県立学校の卒業式が挙行されます。言うまでもなく、卒業式は学校にとって最も大切な行事です。卒業生が様々な人との出会い、過ぎ去った日々の積み重ねが今につながっていることに、また、次のステージで新たな人や出来事との出会いが待っていることに思いをはせながら学び舎を後にする姿は、校種を問わず、見送る者、見守る者たちの胸を打ちます。各小中学校において、卒業生が晴れやかに巣立つことができますよう、先生方には温かく、粘り強いかかわりを期待します。

 

今月のメッセージは、本年度の総括となります。平成30年度を振り返ったとき、避けることができないのが昨年7月の西日本豪雨です。昨日まで元気だった児童3名の尊い命を失った悲しみは筆舌に尽くしがたく、直接かかわっておられた方々はもちろん、愛媛の教育関係者の心にいつまでも残り続けることでしょう。それでも、不安や辛さなど様々な思いを胸の奥にしまい、発災直後から今日まで復旧・復興に向け邁進する子どもたちや先生方、地域の方々、そして、それを支える多くのボランティアの姿は、私たちに、この災害を乗り越え、力強く前に進まなければならないのだと思わせてくれました。私たちは、全国からいただいた多くの支援に感謝するとともに、全ての子どもたちが、自分の明るい未来に向かって歩んでいけるよう、今回の災害を通して学んだことを、今後の教訓として生かしていかなければなりません。

さて、今年度末をもって、400名を超える先生方がご退職されます。愛媛の教育のために、これまでご尽力いただきましたことに敬意を表しますとともに、心から感謝を申し上げます。多くの功績を残された先輩方が教育現場から去られることを思うと、一抹の寂しさがありますが、今後とも、それぞれのお立場で、愛媛の教育の更なる発展のために、ご指導・ご支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。

4月には、約350名の新規採用教職員と継続を含め約300名の再任用教職員を迎える予定です。新学習指導要領の実施や働き方改革の推進など、教育を取り巻く大きな変革のうねりの中、5月には元号が変わり、新たな時代が始まります。若い世代の先生方には、ベテランの先生方がこれまで築いてこられた愛媛の教育の伝統をしっかり受け継ぐとともに、若者ならではの感性を生かした実践で教育現場に新風を吹き込んでもらえることを期待します。

『一期一会』という言葉があります。

節目に当たるこの季節、本年度の数々の出会い、次年度の新たな出会い、一つ一つの出会いを大切にしたいものです。一年間、大変お世話になりました。

 

 

 

義務教育課長メッセージ(平成31年2月1日)

 「節目」に思う

暦の上では立春を迎える2月ですが、1年の中で最も寒い時期を迎えます。この冬は、県内においては降雪こそ少ないものの寒暖の差が大きく、体調管理が難しくなっています。さらに、県内では先月末からインフルエンザ警報が発令されています。感染予防対策や衛生管理の徹底をお願いいたします。


 2月3日は節分です。もともとは、二十四節気における季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前日を節分と呼び、年に4回、様々な行事が行われてきました。今では、全国的に豆まきをしたり恵方を向いて巻き寿司を食べたりして無病息災を願う春の節分が一般的になっています。ちなみに、今年の恵方は東北東だそうです。極寒の中でも木々の先には小さな芽が芽吹き、日脚が伸び、暖かい春の訪れを予感させるこの頃が、多くの人々に希望を抱かせる特別な時期であるように私は感じます。これからも、節分という「節目」を大切にするとともに、日本伝統の行事を残していきたいものです。

 

さて、先月から、各教育事務所管内で、「えひめジョブチャレンジU-15フェスタ」が開催されています。この事業は始まってまだ2年目ですが、来年度の県内全公立中学校及び中等教育学校での実施に向けて、準備が整ってきました。中学生が5日間の職場体験学習を行うことで、地元の産業を具体的に学び、そこで働く魅力を感じることにより、「きみたちはどう生きるか」との問いに対峙し、自分を見つめ直すとともに、将来の愛媛を支えるためにできることを考えてくれることを期待しています。この時期に実施される、志を立てることの大切さを学ぶ少年式や記念行事と併せて、人生の大切な「節目」にしてほしいと考えています。キャリア教育の充実については、小学校学習指導要領にも明示されています。子ども一人一人が自分についてしっかりと考え、発達の段階に応じて、より良い生き方を自ら選択できる力を身に付けてくれることを願っています。


 ところで、竹は「天然の機能材料」と言われています。それは、結び合う節と節とがある一定の間隔で絶妙に構成されており、結果として「柔らかさ」と「強さ」を併せて持つ理想的な構造を形成しているからだそうです。一見相反する性質である「柔らかさ」と「強さ」を持つものを「しなやか」と表現します。我々も教育のプロとして、「優しさ」と「強さ」を兼ね備えた「しなやかな人間性」を備えて子どもたちに接したいものです。


 本年度も残り2か月ほどになりましたが、子どもたちと先生方にとって、日々の学校生活が充実したものとなることを心より願っています。

義務教育課長メッセージ(平成31年1月1日)

新しい年を迎えて」

 明けましておめでとうございます。

先生方におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、お正月は、家族や親戚、地域の方などが集まり、一年の家内安全、無病息災、学業成就などを願いながら、食事を共にすることが多かったことと思いますが、おせち料理は召し上がられましたか。

 おせち料理には、たくさんの種類があり、その一つ一つに意味があります。例えば、「黒豆」は、まめ(まじめ・健康)に暮らせるようにという願いが込められており、「紅白なます」は、平和への思いを祝い事に用いる水引きを模した色で表現しています。家庭、地域によっておせち料理には様々なバリエーションがありますが、一年の始まりに当たって「福を招き災いを打ち払う」という願いが込められていることは、共通しています。

 私たちは、移り変わりの激しい社会の中で過ごしていると、何事にも人の思いや願いが込められていることを忘れがちになります。新年を迎えた今、自分の身の回りをゆっくり振り返り、周囲の人の思いや願いについて考えてみたいものです。日常生活で当たり前だと感じていたことの意味を見付け、当たり前に過ごせることの幸せを改めて感じることができるのではないでしょうか。

昨年は、本県に甚大な被害をもたらした豪雨をはじめ、地震や台風といった災害が多く、2018年「今年の漢字」は「災」でした。元号が変わる2019年、先生方は、災いを打ち払い、どのような年にしていくことを思い描かれているでしょうか。


  ところで、今年は、中学校「特別の教科 道徳」の全面実施、従来とは異なる新学習指導要領に基づいた3観点による評価に向けた準備など、学校教育においては変化の年となります。「亥年」は12支最後の年です。最後には、終わりという意味もありますが、これまで蓄えてきたものが実となり、種子を宿し、新たな始まりに向けて更なる準備を行う期間であるとも捉えられます。教育の不易と流行をしっかりと見つめ、地に足をつけた教育を推進し、「
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  平成最後の3学期がスタートします。履修漏れが無いように授業を計画的に進め、毎日の学校生活においては子どもたちの心身の健やかな成長を願いながら愛情をもって接し、子どもたちが笑顔で自信をもって進学・進級できるよう指導をお願いいたします。

義務教育課長メッセージ(平成30年12月1日)

「新しい時代に期待を込めて」

平成最後の12月を迎え、今年も残すところ、あと1か月となりました。

各学校では、学期末の事務処理や個別懇談会等に向けた準備が進められていることと思います。終業式の日には、子どもたち一人一人をしっかりと見つめながら通知表を渡し、それぞれの2学期の頑張りや良いところを認めたり褒めたりしてあげてください。きっと先生方の温かなまなざしと愛情のこもった言葉が、3学期の意欲へとつながるはずです。


 県教育委員会では、
平成32年度から、小学校においてプログラミング教育が始まることを踏まえ、先月18日に小学生を対象として「プログラミング名人フェスタinえひめ」を開催しました。当日は、子どもたちのコンピュータ操作に対する順応の速さや、自由な発想でプログラムを改良し、思考を深めていく姿に感銘を受けました。フェスタ後のアンケートによると、参加した全ての児童がプログラミング体験を楽しむことができ、今後もこのようなイベントに参加したいと感じており、プログラミングへの関心の高さが伝わってまいりました。今後、参加した児童の中から、日本だけでなく世界で活躍する「プログラミング名人」が出てくることを期待しています。


 ところで、今年もスポーツ界では、若い世代の活躍が見られました。水泳の池江璃花子(いけえ
りかこ)選手、フィギィアスケートの紀平梨花(きひらりか)選手、体操の谷川翔(たにがわかける)選手をはじめ、年齢に関係なく、勝つか負けるかという厳しい勝負の世界で戦い、輝かしい戦績を残した選手が多くいます。卓球の伊藤美誠(いとうみま)選手もその一人です。彼女は、ワールドツアーで優勝しましたが、そこに至るまでに、大舞台で戦績を残さなければならない緊張感や敗戦による悔しさを何度も味わったと思います。ツアー優勝後のインタビューでは、「すごく自分のプレーを研究され、対策を講じられている。対策を練られても、それを乗り越えられるよう成長し続けていきたい」という内容の気概に溢れた言葉を残しています。

若い世代の活躍は、彼らの勝利に対する強い思いはもちろん、目標とする先輩や、切磋琢磨する良きライバルの存在、そして何より、その競技が「好き」という気持ちが原動力となっているのだと思います。私たちも、目の前にいる子どもたちのスポーツや学習に対する「好き」を大切にしながら、様々な課題を克服し、新しい時代をしっかりと自分の力で生き抜く力を子どもたちに育んでいきたいものです。


 この師走の時期は、日没も早い上に、懇親会や忘年会なども増えてくると思います。先の教育長メッセージにあった通り、教育に携わる公務員としての崇高な使命と責任を自覚し、自らを律することで、交通事故や飲酒運転をはじめとする不祥事を起こすことなく、子どもたちはもちろん、保護者をはじめ、地域の方々の期待と信頼に応える学校づくりに努めてまいりましょう。

来年は、平成最後の亥年、新年号最初の亥年です。この年末年始は、時代の転換期を迎える年末年始だということを感じつつ、新たな時代に向け、心も体もリフレッシュさせてください。

義務教育課長メッセージ(平成30年11月1日)

 

「君たちはどう生きるか」
 

始めにお願いがあります。

とても残念なことですが、このところ、教職員による不祥事が相次いで発生し、憂慮すべき事態となっていることから、先月末、臨時市町教育長会を開催しました。冒頭、県教育委員会 三好教育長は、県内小中学校のほとんどの教職員が、子どもたちの健やかな成長のために日々全力で取り組んでおられることへの感謝の思い、しかしながら、一部教職員の軽率な行動が、子どもたちの心に深い傷を残し、愛媛教育への信頼を大きく損ねることへの残念な思いを強調されました。そして、各市町の教育長に対し、「教育長メッセージ」を作成したので、教職員一人一人に確実に伝えてほしいと話されました。

皆さんの手元には、既に教育長メッセージが届いていることと思います。三好教育長の思いを一人一人がしっかと受け止め、子ども、保護者、地域の方々の信頼に応えられる教育の推進により一層努めていきましょう。

 さて、金木犀の季節になりました。どこからともなく漂ってくる金木犀の香りは、秋の深まりを感じさせます。秋と言えば、「食欲」「スポーツ」「読書」「芸術」…、さまざまな事柄を連想させてくれます。このところ、日本人の活躍がめざましい「ノーベル賞」も、秋の風物詩の一つかもしれません。

 

今年度、京都大学名誉教授、本庶 佑(ほんじょ たすく)さんが、ノーベル医学・生理学賞を受賞されました。これまでに本庶さんは、様々な場面でご自身の研究に対する思いについて語られています。心惹かれるものが数多くありますが、その中でも、特に私の心に残った言葉が、次の「6つのC」です。

“好奇心(Curiosity)を大切に、勇気(Courage)を持って困難な問題に挑戦(Challenge)し、必ずできるという確信(Confidence)を持ち、全精力を集中(Concentration)させ、あきらめずに継続する(Continuation)ことで、時代を変革するような研究を発信することができる。”

「何に興味を持ち、何に全精力を注いでいくか」を大切にし、真実を追求し、研究者として生きてこられた本庶さんならではの言葉です。また、これまで「どう生きるか」ということを、自問自答し続けてこられたことが想像できます。

 先日、県内の公立全中学校をはじめ、職場体験学習受入企業等に「漫画 君たちはどう生きるか」の表紙絵を使用した「えひめジョブチャレンジU-15事業」のポスターを配付しました。すでに目にされた方も多いのではないでしょうか。このポスターには、中学生に主人公「コペル君」のように自分自身で生き方を考えながら、成長してほしいという強いメッセージを込めています。「緊張の1日目、仕事を覚える2日目、仕事に慣れる3日目、創意工夫の4日目、感動の5日目」、5日間の職場体験学習を通して、学んだことや考えたことを大切にするとともに、将来の理想の自分を見据え、この経験をこれからの生き方を考えるきっかけにして貴重な十代の一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。

 AIの飛躍的な進化や職業の変化など、今まで以上に将来を予測することが困難な時代が到来すると言われます。しかし、どんなに技術が進化したとしても、人と人との関わりがなくなることはありません。「どのように自分らしく生きるか」と同様に「人としてどう生きるか」ということも日々の教育活動を通して、それぞれの立場で伝え続けてほしいと思います。

義務教育課長メッセージ(平成30年10月1日)

「備えあれば・・・」

 

気が付けば、朝夕に吹く涼しい風に乗って、キンモクセイの香りが漂う好季節となりました。

 

毎年、秋には学習発表会や文化祭等の特色ある学校行事のほか、県内各地で陸上大会や新人戦等の各種スポーツ大会が開催され、子どもたちが、それまでに身に付けてきた力を一生懸命に発揮している姿が見られます。これらの活動は、子どもたちにとって、自分自身の成長を知るよい機会になるとともに、先生方にとっても、自分の指導を振り返る機会ともなります。

 

先日、全米オープンテニス女子シングルスで優勝した大坂なおみ選手のコーチであるサーシャ・バイン氏の指導方法がテレビで取り上げられていました。練習嫌いな上に、引っ込み思案な性格の大坂選手は、物事をネガティブにとらえるところがあり、試合中に思い通りのプレーができなければ、泣き出してしまうなど、メンタルの弱い面があったそうです。そのような彼女に対し、バイン氏は、できるだけ楽しく、ポジティブな雰囲気を作ろうと、練習前のアップから笑顔で併走し、トレーニングでも一緒に汗を流し、またユーモアを交えながら語りかけるなど、笑いが絶えない練習を取り入れました。そして、試合中には、「君ならできる。」と常にポジティブに、大坂選手を支え続けました。バイン氏は、「選手は一人一人違い、成功の形式もない。ベストを引き出すためには、どうすればいいかを個々に考える。」と語っています。

このエピソードは、私たちにとって参考になることが多く含まれています。子どもたちの輝かしい未来に備えて、一人一人の個性を引き出す指導の工夫は、教えの専門家である私たちに求められる最も重要な資質の一つです。

 

ところで、今年は、様々な自然災害が全国各地で発生しています。これまで以上に学校でも防災に対する意識を高め、災害に備える必要があります。各学校では、定期的に避難訓練を実施し、いざという時に子どもたちが教師の指示を待たず、自ら判断し行動できるよう指導していただいていることでしょう。ただ、今後は、地震や火災だけでなく、洪水や竜巻などの災害を想定したり、休憩時間や登下校中などあらゆる時間や場所を想定したりした訓練も視野に入れる必要があります。

 

 子どもたちには、自分の命は自分で守る「自助」能力を高めて欲しいと思います。また、学校は緊急避難場所に指定されたり、防災施設が設置されたりするなど、「公助」の要となる施設の一つです。緊急時の対応や校内施設について教職員で共通理解を図って頂きたいと思います。さらに、これから本番を迎える秋祭りなどの行事に、子どもたちや先生方が積極的に参加することで地域とつながり、「共助」できる関係を築いてくれることも願っています。

義務教育課長メッセージ(平成30年9月3日)

()(がお)で前進

  

まず、夏季休業中、被災された学校の先生方をはじめとするたくさんの方々の懸命の努力に加え、派遣やボランティアとして多くの先生方から力強い支援をいただいたことにより、県内全ての学校で始業式が実施できましたことを、この場をお借りして御礼申し上げます。7月の豪雨災害で被災された地域では、子どもたちや保護者、先生方が様々な思いの中で、昨年度とは違った2学期を迎えていることと思います。

県教育委員会では、被災によって学習や進路対策に遅れが生じないよう学習サポートを行う教育活動支援員を新たに30名配置するとともに、就学困難となった子どもへの学用品等の支給に対して補助を行っています。また、子どもたちや保護者、先生方の心のケアとして緊急にスクールカウンセラーを派遣し、カウンセリングを行っています。
 
   今後とも、被災した子どもたちが一日でも早く平穏な日常を取り戻し、不安なく学校生活を送れるようきめ細かな支援をしていきたいと考えています。

被災した子どもたちに限らず、2学期を迎えた子どもたちの中には、夏季休業中の生活の変化から体調を崩すなど、学校生活に不安を感じている子どももいると思います。「子どもの命を守る」ことが教師の最も大切な使命です。先生方には、子どもの発するどんな小さなサインも見逃すことがないよう配慮するとともに、子どもが辛いときや困っているときに「しんどい」と素直に言える、安心して過ごせる学級経営に努めていただきたいと強く願っております。

また、子どもたちが元気に過ごすためには、やはり先生方が元気でなければなりません。2学期は運動会(体育祭)や修学旅行、文化祭など多くの行事が控えていますが、それぞれの行事を子どもたちにとってよりよいものにすることと同時に、業務負担軽減の視点から効率的な運営を図るよう、皆で知恵を出し合って改善してほしいと思います。
 

校長先生においては、厳しさの中にも、子どもたちのために懸命に取り組んでいる先生方へのねぎらいを忘れず、互いの思いや悩みなどを語り合い、支え合い、高め合える、温かい学校経営をお願いいたします。

さて、先月の第100回全国高校野球選手権大会では、数々の筋書きのないドラマが生まれ、私たちに夢と感動を与えてくれました。本県代表の済美高等学校は、「やればできる」を合い言葉に、ベスト4に進む熱い試合を繰り広げました。2回戦、石川県代表の星陵高等学校との試合、8回裏に6点差を跳ね返して逆転。9回に追いつかれ、2点を追うタイブレークの延長13回裏に大会史上初の快挙となる逆転サヨナラ満塁本塁打を放ち、勝利をつかみました。試合を決定づけたホームランを打った選手は、試合後のインタビューで、「1年間積み重ねてきた努力を信じて、気持ちで打った」と答えていました。毎日、地道に取り組んできた練習が最後まで諦めない強い気持ちとなり、この勝利に結びついたのだと心が震えたのは私だけではないと思います。今を大切に、自分のやるべきことを積み重ねていくことが、何事にも諦めない強い気持ちになり、また前に進む原動力になるのだと感じました。


   今後も、被災した学校の復旧・復興をはじめ、学校における様々な課題に対してしっかりと向き合い、先生方とともに諦めない強い気持ちで一歩ずつ乗り越え、子どもたちの笑顔で溢れる学校づくりを進めていきたいと思っています。まだまだ暑い日が続きますが、熱中症等子どもたちの健康に十分留意して、
()(がお)で前進していきましょう。


義務教育課長メッセージ(平成30年8月1日)


岩手からの葉書」


 「ぼくが、4才の時、東日本大震災がありました。西日本の豪雨、大変だったと思います。でも、元気を出して、がんばってください!!」

この度の豪雨災害より、県内では3名の児童の尊い命が奪われました。残念でなりません。県内各地で多くの方が被災されました。知り合いや親族、家屋等を失った児童生徒やその家族、先生方の心中はいかばかりかと、胸が締め付けられる思いがいたします。大変な思いをしている方々に対し、心よりお見舞い申し上げるとともに、どうか、負けないで頑張ってほしいと願うばかりです。


 そんな中、優しいそよ風が吹いてきたかのように、一枚の葉書が教育委員会に届きました。


 送り主は、岩手県の小学生です。

この子も、あの日、生活が一変したことに戸惑いながらも、悲しみや苦しみに耐え、必死で生き抜いてきたことと思います。小さいながらも、地域の復興をしっかりと見届け、そして今、遠く離れた西日本の様子を目にして、何か自分にできることはないかと考え、この葉書を書いてくれたのでしょう。その心根に熱いものがこみ上げてきます。

東北の方々が成し遂げてきたように、私たちもチーム愛媛の底力を発揮し、支え合って前への一歩を踏み出しましょう。地域を元気にできるのは、子どもたちであり、先生方であり、そして学校にはその力があると信じています。


 このような中、7月31日、4月に実施された全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。本県は、本年度も、小中学校ともに国語、算数・数学のA問題(知識)、B問題(活用)、3年ぶりに実施された理科全ての区分の平均正答率が全国平均以上でした。本県同様に、小中学校ともに全ての調査区分において全国平均以上だったのは、全国で7府県のみ(石川、秋田、福井、富山、京都、茨城、愛媛)です。このことからも、本県が目標としている「基礎と応用のバランスの取れた学力を育成する」ことが、非常に重要でありながら、実はなかなか難しいものであることが分かります。全国上位の学力水準を維持できているのは、各学校での日々の地道な取組の成果によるものです。愛媛の子どもたち、そして先生方を誇りに思います。


 今回の災害を経験した愛媛の子どもたちは、先の岩手の児童と同じように、将来、日本や世界のどこかで、困ったり苦しんでいたりする人がいるのを知ったとき、自ら行動を起こし、何かの力になろうとする人間に育ってくれるはずです。既に、ボランティアとして、浸水した学校の床にはいつくばって掃除をしている小学生や職員室の机を運び出す中学生や高校生の姿が、連日、新聞やテレビ等で報道されています。


 避難所等での生活を余儀なくされている児童生徒や、猛暑の中、復興にあたっている先生方、地域の方々の心身の疲労が心配です。県教育委員会では、今回の災害で、特に被害の大きかった地域の小中学校、県立学校を中心に、緊急にスクールカウンセラーを派遣します。心が疲れた時、愚痴や悩みを聞いてほしい時、地域にやってきたスクールカウンセラーをぜひ活用してもらいたいと思います。対象は児童生徒だけではありませんので、先生方、地域の方々も「心の専門家」に気軽に御相談ください。

義務教育課長メッセージ(平成30年7月1日)

「安全教育に休みなし」
 
 大阪府北部を震源とする地震において、あいさつ運動のために早めに登校した児童と子どもたちを見守るために出向いた地域の方の尊い命が奪われたことは、教育に携わる者として本当に心が痛みます。自校の校舎や教室、ブロック塀など、危険な場所はないか、通学路に倒壊の危険のある建造物はないか、既に確認をされたと思いますが、今回の件に限らず、事件、事故の報道があった際には、誰かの指示を待って動くのではなく、しっかり情報を収集し、考え、判断し、主体的に行動することが大切です。

 「考え、判断し、主体的に行動すること」は、子どもたちが自らの安全を確保する上でも大切なことです。子どもたちの日常生活には、地震や火災、交通事故や水の事故、誘拐や不審者など予測できない多くの危険が潜んでいます。夏休みに体験する様々な活動にも危険は付きものです。自分の身は自分で守るという意識をもたせると同時に、危機に直面した際の対応についても具体的に示し、繰り返し指導することでしっかりと身に付けさせる必要があります。発達の段階に応じて、危険予測・回避能力を育成するための安全教育を継続していくことは不可欠です。
 
 さて、FIFAワールドカップがロシアで開催され、本県出身の長友選手が日本代表として3度目の出場を果たし、活躍しています。初出場した8年前と変わらず、一切手を抜かず、常に全力でプレーする姿は周囲に感動と勇気を与えています。今回の代表チームについては、大会直前に突然監督が交代するなど、不安視する声もありました。しかし、選手の特長をつかみ、相手チームを的確に分析した西野監督の采配により、一人一人が持ち味を発揮し、日本は決勝トーナメント進出を果たしました。指導する者とされる者、リーダーとフォロワー、互いに理解し、互いを信頼する時、組織として強力なパワーが発揮され、時に不可能が可能になります。これは、学校現場での教育実践にも通じるものがあります。


  いよいよ1学期の締めくくりが近づいてまいりました。以前にも述べさせていただきましたが、通信簿が先生と子ども、学校と家庭をつなぐ温かい「通心簿」となり、一人一人の児童生徒と保護者の心に届くことを願っています。また、この夏休みには、5日間の『えひめジョブチャレンジU‐15』に取り組む中学校もあろうかと思います。「緊張の1日目、仕事を覚える2日目、仕事に慣れる3日目、創意工夫の4日目、感動の5日目」の充実した5日間を通して、生徒が更に成長することを願っています。

義務教育課長メッセージ(平成30年6月1日)

チーム学校のよさを発揮しながら

323。この数字は、何を表しているでしょう。


 これは、今年度、
新規採用となった公立小中学校教職員の人数です。

大量退職の時代を迎え、新規採用教職員の数は増えています。本年7月下旬に実施する「平成31年度愛媛県公立学校教員採用選考試験」の採用予定数は、小学校教員が220名程度、中学校教員が110名程度、養護教員が25名程度、栄養教員が若干名です。単純に計算しても、今年度以上の採用人数であり、教育現場ではまさしく世代交代が進んでいると言えます。

この世代交代は、実は、職場を活性化するチャンスでもあります。

若い先生方は、一生懸命に仕事に取り組むよさがありますが、経験の少なさから、悩んだり、つまずいたりすることが多々あるでしょう。その時は、一人で悩まず、ベテランの先生方に相談してください。長年の経験によって培われた知識や知恵を基に、真摯に向き合い、導いてくれるはずです。

一方、ベテランの先生方は、子どもや保護者を理解する力、授業を計画・実践する力などを備えています。時には、若い先生方の話にじっくりと耳を傾け、懸命に業務に取り組む彼らの姿に目を向けてみてください。自分の教育実践に新たな風を送り込むきっかけになるかもしれません。

年齢や経験に関わらず、同じ教職員として、互いに認め合い学び合う姿勢があれば、皆さんの学校は活力にあふれ、唯一無二の特色のある学校として、子どもや保護者、地域に愛されると思います。


 ところで、近年、若者の活躍をよく見聞きするようになりました。例えば、アメリカ大リーグでは、メジャー球団のエンゼルスに大谷翔平選手が新人として加入し、2刀流(投手と打者を兼ねる)で大活躍しています。

教員集団を野球チームに例えると、監督は校長、コーチは教頭、事務長、主幹教諭などで、教職員は全員が教科や校務を任される正選手であり、1年目(新人)からすぐに役割と責任が与えられます。

また、子どもたちから見ると、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんのような存在にもなります。

野球では、「全員野球」という言葉をよく耳にしますが、まさに、学校も同様で、ベテランと新人とが一丸となって、それぞれの持ち味を生かしながら教育活動を推進してこそ、大きな成果を上げることができるのではないでしょうか。

1学期の半ばを迎えた今、皆さんの「チーム学校」の姿はいかがでしょうか。一人一人の教職員のよさが、学校のよさとして生かされるよう願っています。

義務教育課長メッセージ(平成30年5月1日)


新緑の中で伸びゆく早苗のように

吹き抜ける風がなんとも心地よく、すがすがしさを感じる季節となりました。各学校においては、年度当初の慌ただしさが一段落し、少し落ち着いて、学習や学校行事などに取り組み始めた頃ではないでしょうか。


 5月5日は立夏、暦の上では夏になります。それぞれの地域で多少の差はありますが、田植えの時期を迎えます。ついこの間まで褐色だった田んぼに水が張られ、その鏡のような水面に映える早苗は、見る間に青々としてきます。私は、この緑の苗に強い生命力を感じ、その姿が日々精一杯伸びようと頑張っている子どもたちのように思えてくるのです。

農業には「作を肥やさず土を肥やせ」ということわざがあります。作物の育生と地力は深い関係があり、作物をよく育てるには、まずよい土を作らなくてはいけないという農業の智恵を示したものです。これから郡市教科等委員長会や市町における主任会など、各種研修会が次々と開催されます。学級の子どもたちや学校のことが気になるところですが、校外の研修会等に参加することは自分の地力、すなわち教員としての資質や能力を高めるよい機会です。積極的な気持ちで参加してほしいと思います。そのことが、子どもたちの健やかな成長に還元されていくものと信じています。


 さて、先生方には、日頃から子どもたちのことを第一に考え、全力で教育活動に当たっていただいていることに、心より感謝しております。子どもたちに向けられる細やかな心配りを忘れてはいけませんが、先生方自身の健康と家庭生活の充実も大切です。

井上 正県教育長は、様々な場で「ライフ・ワーク・バランス」という言葉を使われます。一般的には「ワーク・ライフ・バランス」ですが、日常の生活が充実しているからこそ、よりよい仕事ができるという経験から、家族や自身の生活(ライフ)第一に考えてほしいという願いを込め、この言葉を使っているとのことです。先生方におかれましては、これからもより一層、生活(ライフ)仕事(ワーク)調和(バランス)を大切にし、毎日の生活を心豊かに送り、子どもたちのよい見本となっていただきたいと考えます。

 
 最後に・・・

子どもたちにとって楽しみにしている大型連休が始まっています。皆さんには普段できないことに時間を使ったり、家族との大切な時間を過ごしたりしてライフを充実させていただきたいと思う一方で、例年のように、連休後、やる気が出ない状態に陥る子どもが増えはしないかと心配しております。子どもたち一人一人にしっかりと目を向け、その子が発する小さな変化をいち早く察知し、未然防止、早期対応に努めてください。


 五月晴れの空に向かってぐんぐんと伸びる早苗のように、子どもたちも先生方も自分の成長に喜びを感じる季節であってほしいと願っています。


 

 

 

義務教育課長メッセージ(平成30年4月1日)


「平成30年度のスタートに」

 

今年の冬は、温暖な愛媛には珍しく寒さが厳しかったため、春の到来が待ち遠しく感じました。

 「♪ サクラさいたら一年生 一人で行けるかな………」

「ドキドキドン!一年生」の歌詞にもあるように、桜の開花とともに、新1年生が不安と期待を胸に入学してきます。また、進級する子どもたちも、勉強や運動を頑張ろうと、この4月を心新たに迎えていることと思います。


 ところで、春に食用の旬を迎える植物の一つに、蓬(ヨモギ)があります。古語に「蓬、麻中に生ズレバ、扶ケズシテ直シ。白砂、泥中にアリテ、コレ皆黒シ」という言葉があります。これは、まっすぐに伸びる性質がある麻の中でヨモギを育てれば、本来曲がって育つはずのヨモギが自然にまっすぐに伸びていき、白い砂が泥の中に入れば、泥と一緒になって皆黒くなってしまうという意味です。ヨモギも白砂もそれが居る場所によって、周りの影響を受けてすっかり変わってしまうという環境の大切さを説いている言葉です。

私たちも、置かれた環境によって、心穏やかになったり、心がすさんだりすることがあります。大人であっても、環境による変化があるのですから、子どもならなおさらです。新年度、互いにいい影響を与え合うために、どのような学級集団づくりをしていくかが、教師の腕の見せ所です。そして、管理職の腕の見せ所は…。


 この春、小中学校新規採用教職員323人を仲間として迎え、県内402校
(小学校274校、中学校128校)での教育活動がスタートします。

平昌冬季オリンピックのスピードスケート女子団体追い抜きで、日本チームは、全員がメダリストである強豪オランダチームを破り、金メダルを獲得しました。個の力では勝てない相手であったにもかかわらず、この結果につながったのは、日本チームが金メダルへの思いを共有し、互いの滑りの特徴を理解した上で一丸となって練習に取り組み、「個+個」の力ではなく、「個×個」の力を生み出した相乗効果であったと言えるでしょう。
 各学校においても、「愛媛の子どもたちのために」という思いを共有し、互いの持ち味を発揮しながら、一丸となって教育活動に取り組むことができるような体制づくりをお願いします。子どもたち一人一人の明るい笑顔の花を咲かせることができるように、「チーム愛媛」で頑張っていきましょう。

義務教育課長メッセージ(平成30年3月1日)

 感謝


 春まだ浅く、風に冷たさを感じる中、先生方におかれましては、今年度の締めくくりに向け、子どもたちの成長に寄り添いながら、日々過ごされていることと思います。

この一年を振り返り、まず思い出されることは、子どもたちの応援が印象的だった愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」「愛顔(えがお)つなぐえひめ大会」です。この大会を開催するにあたっては、平成17年に準備委員会が設立されて以降、13年もかけて準備が続けられてきたことを御存知でしょうか。14日間の大会の成功に向け、気が遠くなるほど長い年月がかかっていること、数え切れないほど多くの人々の尽力と支えがあったことを忘れてはならないと思います。

また、韓国で開催された冬季オリンピックにおいても、ケガの中、強い精神力をもって、二連覇を達成したフィギュアスケートの羽生結弦選手をはじめ、たくさんのメダリストが誕生し、日本国中に感動と勇気を与えてくれました。さらに、本県出身選手ではスノーボードハープパイプで片山來夢選手が7位、スピードスケートで郷亜里砂選手が8位とそれぞれ入賞し、愛媛の子どもたちに夢と希望を与えてくれました。

私が、このオリンピックで、特に印象に残ったのは、スピードスケートで金メダルに輝いた小平奈緒選手の言葉です。金メダル受賞後のインタビューで「私は本当に人に恵まれてきた人生だったなと思います。苦しい時も、成績よりも私の夢を応援してくれました。みんなでまた喜びを分かち合えるような、そんな機会があるといいなと思っています。」と語っています。優勝が決まった後、三連覇が叶わなかった韓国のライバル選手に駆け寄るシーンには心を打たれました。苦しい練習を重ねてきたことを互いが一番よく知り、尊敬し合う関係を築いてきた二人だからこそ、勝ち負けの次元を超越した自然の姿となり、オリンピックの舞台で「出会い、支えられ、成長したこと」への感謝の気持ちを表したのでしょう。

この「出会い、支えられて、成長したことへの感謝の気持ち」を、卒業を前にした子どもたちに伝えてほしいと思います。式は節目です。竹は節があることで強くなるように、卒業式は人の心の支えとなります。

卒業式を機に

先生による「支えや寄り添い」が「感謝」へ

学び舎での友だちとの「出会い」が「一生の宝」へ

通い慣れた「校舎」や積み重ねた「思い出」が「母校」へと

変わることでしょう。

また、在校生もその学年で身に付けた知識や能力を携え、先輩たちの姿を見習い、次の学年へと歩みを進めていきます。

どの子どもたちも、自分の良さを発揮し、今まで支えてくださった方々への感謝とともに、4月からの新たなスタートに夢と希望を抱いていけるよう、今年度を愛顔で終えてほしいと思います。

結びになりますが、今年度末をもって御勇退される先生方に、心から感謝を申し上げます。引き続き、それぞれの立場で、子どもたちを温かく見守り、御支援くださいますよう、よろしくお願いいたします。

義務教育課長メッセージ(平成30年2月1日)

力を蓄え春を待つ

まもなく立春を迎えるとはいえ、本格的な寒さが続く中、先生方には、日々、子どもたちのために御尽力いただいていることに対し、心より感謝いたします。今年は降雪が多く、山間部や臨海部の学校では特に御苦労をされているのではないでしょうか。さらに、県内ではインフルエンザが猛威をふるっています。どのようなときも、子どもたちと先生方自身の健康と安全を最優先にした対応をお願いします。

 さて、昨年12月に行われた「愛媛県学力診断調査」の採点・分析が終わり、各学校の成果や課題が明確になった頃ではないでしょうか。現在、明らかになった課題を学校全体で克服し、より一層の授業改善を図ることを目的とした「第2回ふりかえりテスト」を実施しています。今回は、県全体ではなく各地域の子どもたちの課題に対応できるように、東中南予ごとに結果を分析し、各教育事務所が問題を作成しました。これらを効果的に活用していただき、子どもたち一人一人が各学年の内容を確実に身に付けられているかどうかを見届け、次年度の取組につなげてください。

ところで、中学校では「自覚」、「立志」、「健康」を3本の柱として「少年式」(立志式、立志の集い等を含む)や記念行事等が実施される時期です。この式は、昭和39年に愛媛県社会福祉協議会が立春の日を「少年の日」と定めたことに端を発し、翌40年からは県内の全中学校で「少年式」が行われるようになり、現在に至っています。

また、2月3日(土)には、県教委主催の「えひめジョブチャレンジU-15フェスタ」がひめぎんホールで開催されます。これは、本年度、5日間の職場体験学習を実施した中等教育学校3校が、その成果と課題を発表するもので、県内の全中学校から代表生徒が参加します。近い将来に、高等学校への進学や就職など人生最初の重要な進路選択を控えている中学生にとって、学校を離れ5日間をかけて本気で仕事に向き合う経験をすること、また、今回のようにその経験談を聞くことは、きっと大きな財産となるでしょう。

少年式や職場体験学習は、今後も生徒たちが自分を見つめ、社会への視野を広げることのできる大切な行事として受け継がれていくと思います。さらには、新学習指導要領において小学校特別活動の内容項目にキャリア教育が明記されたことからも、中学生だけでなく小学生にも、これからの自分について考え、よりよい生き方を自分で選択する力を身に付けてほしいと考えています。そして、普段の何気ない生活においても、自らの心に小さな自覚を芽生えさせ、自分に合った志を立て、自他の健康に気を付けながら充実した毎日が過ごせることを願っています。

少し気が早いのですが・・・

私はサクラが大好きです。古くは「古事記」や「日本書紀」に登場しており、また、多くの歌人にも詠まれ、花といえばサクラを意味するほどの日本を代表する花となっています。サクラは春の暖かさだけでは美しく咲くことができません。冬の寒さがあってこそ人の心を打つ美しい花を咲かせることができるのです。今、木枯らしに吹かれながら、それぞれの枝では小さな小さな芽が春を待っています。

人間にもよく似たところがあると思います。寒さが厳しい時期に、耐え忍び、力を蓄えるからこそ、大きく開花できるのです。

サクラの花が咲く頃には、子どもたちの愛顔が満開になるよう、1時間1時間の授業はもちろんのこと、日々の地道な教育活動を大切にしていきましょう。

 

 

義務教育課長メッセージ(平成30年1月1日)

 

(いぬ)の年に思うこと

明けましておめでとうございます。

 平成30年が幕を開けました。先生方におかれましては、健やかに佳き年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 

今年の干支は、「(いぬ)」です。古くから犬は人間の近くにいて、人との関わりの深い動物です。盲導犬や聴導犬、介助犬などは体の不自由な人々を助け、警察犬や牧羊犬などは人にかわって立派に仕事をします。「親しみ深く、社会性があり、忠実な動物」と言えるでしょう。

さて、忠実な犬と言えば、とりわけ有名な忠犬ハチ公のことを思い浮かべる方もおられるのではないでしょうか。2009年にはアメリカでも映画化され話題になりました。

ハチは、飼い主であった上野博士亡き後も、10年間渋谷駅に毎日通って、博士を待ち続けました。その理由を、ハチの様子を新聞に投稿し、世に知らせた斎藤弘吉氏は、次のように述べています。

「渋谷駅に毎日のように通ったハチを、人間的に解釈すると恩を忘れない美談になるかも知れませんが、ハチの心を考えると、恩を忘れない、恩に報いるなどという気持ちは少しもあったとは思えません。あったのは、ただ自分をかわいがってくれた主人への、それこそ混じりけのない、愛情だけだったと思います。無条件な絶対的愛情なのです。~中略~ハチの本当の気持ちは、大好きな博士に飛びつき自分の顔を思いきり押しつけて、尾を振りたかったのです。」

上野博士との突然の別れが訪れたのは、ハチが飼われ始めてわずか17か月後でした。

この期間で、これだけの信頼関係を築くことができたのは、上野博士がもっていた他者に向ける深い愛情ゆえだと思います。相手が人であろうと動物であろうと関係なく、心からの愛情をもって接することにより、心が開かれ、信頼の絆が結ばれるのではないでしょうか。

 

ところで、私たち教師も子どもたちの精神的なよりどころとなれるよう、温かい愛情をもって子どもたちに寄り添い、強い信頼関係を築くことが大切だと感じます。加えて、教育のプロとしては、子どもの成長・発達についての深い理解、教科等に関する専門的知識、教師としての責任感、これらを基盤とした実践的指導力など、様々な資質能力が必要であることも忘れてはいけません。

子ども一人一人の状態や場面に応じて、時には親のようにありのままを受け止める無限大の愛情で、時には社会のルールを教える大人としての厳しさで、時には楽しみを分かち合える子どものような無邪気な心で接していくことが大切ではないでしょうか。

 

平成29年度の締めくくりである3学期がスタートします。1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言われるように、3学期は特に月日が経つのが早く感じられるものです。計画的な、そして、一つ一つの意義を明確にした取組により、子どもたちが希望をもって進学・進級できるようお願いします。

 

義務教育課長メッセージ(平成29年12月1日)

「アナログ(不易)とデジタル(流行)」

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」


 これは、俳人松尾芭蕉の弟子である向井去来が、芭蕉の俳論をまとめた書物『去来抄』に記した言葉です。ここから生まれた「不易流行」は、ビジネス、芸術、医療など様々な分野において、発展を目指す上で示唆を与える言葉となっており、教育界においても、古くからこの言葉を用いて教育が論じられてきました。来年度から新学習指導要領の移行期間を迎える現在も、やはり「不易流行」という視点で教育を捉え直してみる必要があるのではないでしょうか。

新学習指導要領には「ICT機器の活用」についての記述が多々見られます。最近、各学校は、ひと昔前とは比べものにならないほどICT機器が充実しており、授業でそれらを用いて子どもたちが楽しく活動する様子が随所に見られるようになりました。タブレット、電子黒板、LAN等が整備され、遠隔授業も実用段階となりました。「デジタル」は、まさに教育における「流行」の部分です。

しかしながら、ICT機器の使用はあくまでも学習の手段であって目的ではないことに留意する必要があります。授業の肝は、子どもたちが学習目標を達成し、必要な力を身に付けることです。授業の最初に目標(めあて)を確認し、終末には一人ひとりにまとめをさせることで定着を図り、それをもとに教師が評価・分析し、温かいコメントを書き添えて子どもたちに次の学習の意欲に繋げていく。そのような「アナログ」なことは、教育の「不易」な部分と言えるのではないでしょうか。

芭蕉は「不易」と「流行」について「其の元は一つなり」と言っています。「不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない。」ということです。「ICT機器の活用」に限らず、「小集団学習」や「主体的・対話的で深い学び」など、今後の授業改善に繋がるこれらの取組も、その本質を十分に理解した上での実践でなければ、「活動あって学びなし」の「落とし穴」に陥ってしまいかねません。今一度、教育の本質に立ち返って考える必要があります。

さて、「忘年会」のシーズンとなりました。今年を無事終えられることに感謝しつつも、「亡念会」とならぬよう、教育公務員としての自覚を忘れることのない、楽しい会としていただきたいと思います。さらにこの会を「望年会」にもしていただき、子どもたちが新しい年でどのように変わって欲しいか、子どもたちをどう変えたいか、具体的な姿を語り合い、年末年始を豊かな気持ちでお過ごしいただけることを願っております。

Things do not change,we change.   

(物事が変わるのではなく、我々が変えるのである)

ソロー(アメリカの作家、思想家)

義務教育課長メッセージ(平成29年11月1日)

「おせったい」

 お遍路さんをお迎えする「おせったい」という言葉には、今あるもの、できることを提供するという意味がありますが、そこにはねぎらいと応援する気持ちが込められています。

今回の「()(がお)つなぐえひめ国体」、「()(がお)つなぐえひめ大会」では、県民総ぐるみで「おせったい」の気持ちで来県者をお迎えすることができました。子どもたちは、選手を歓迎するために、半年かけて競技場等に設置するプランターに花を育て、各県の応援旗にメッセージを書き込み、さらに、応援の練習に取り組んできました。大人は、競技会場の準備をし、民泊を受け入れ、沿道の草花を整備しました。

印象深い場面が数多くある中で、特に、開会式で入場行進をする各都道府県選手団に向かって大きな声でエールを送っていた小中学生の姿が私の心に鮮明に残っています。炬火台前を通過する選手団に向けた小中学生応援団の声が、広い会場全体に響いており、胸が熱くなりました。恐らく各市町の競技会場でも同様の光景が見られたはずです。この愛媛の子どもたちを誇りに思います。そして、日頃から子どもに寄り添い、温かく見守り、指導してくださっている先生方に感謝申し上げます。

さて、この秋の時期にはどの学校でも様々な体験活動が計画されていることと思います。「聞いたことは忘れ、見たことは覚え、行ったことは理解する」と言われています。「見る」「聞く」「味わう」「嗅ぐ」「触れる」といったいろいろな感覚を働かせた子どもたちの体験活動を大切にしてください。

中でも、子どもたちが働く大人と接し、仕事に関する様々な知識や技術に触れることを通して、働くことの意義を理解できる職場見学や職場体験学習は、体験活動だけでなくキャリア教育の推進においても意義ある活動と言えるでしょう。県教育委員会では、地元の企業を知り、地元で働く魅力や意義を感じることを目的として、中学生が5日間の職場体験に取り組む「えひめジョブチャレンジU‐15事業」を今年度から実施しています。10月末から11月中旬にかけて、モデル校である県立中等教育学校が県内147社(3校合計)で体験活動を実施します。そして、2月3日には、県内全ての中学校の代表生徒を集めて、えひめジョブチャレンジU‐15フェスタを開催し、その成果を県内に広める予定です。

えひめ国体やえひめ大会への関わりも職場体験学習も、子どもたちにとって大切な体験活動です。そして、どのような体験活動においても、事前指導と事後の振り返りが必要です。事前指導で、何のための活動なのかという意義や目的をしっかりと知ることで、児童生徒は、自分がしている体験活動がこれまでの学びとつながっていることを実感するでしょう。さらに、事後の振り返りで、自分がしたことや感じたことなどを客観的に見つめることで、これからの学びも相乗的に質が高まることでしょう。

2学期も後半です。学校の特色や地域のよさを生かした豊かな学びを通して、子どもたちの()(がお)がたくさん見られますよう願っています。

ともかく具体的に動いてごらん 

具体的に動けば具体的な答えが出るから

                         (相田みつを 詩人・書家)

義務教育課長メッセージ(平成29年10月1日)

スポーツを読書のきっかけに

 澄み渡る空に秋の気配を感じるようになりました。

 今年は、「スポーツの秋」を満喫するのにぴったりな「えひめ国体」(9月30日~10月10日)、「えひめ大会」(10月28日~10月30日)が開催されます。

 9月30日には総合開会式が催され、県総合運動公園は選手をはじめ、多くの方々の熱気に包まれました。

  

 「えひめ国体」や「えひめ大会」では、県内各地で、全国から集まった選手が力と技を競い合います。たゆまぬ努力を続けてきた選手が、全力で勝負に臨む姿を目にすることができるまたとない機会です。この「えひめ国体」や「えひめ大会」を通じて、スポーツの魅力はもちろん、一つのことに打ち込むことの素晴らしさ、成果を残すための努力の尊さ、選手たちが抱える苦悩や葛藤など、様々なことを子どもたちに考えさせてほしいと思います。 

 

 ところで、秋は読書を楽しむのにふさわしい季節でもあります。「えひめ国体」や「えひめ大会」をきっかけに、スポーツに関心をもつ子どもたちが増えるかもしれません。この機会に、スポーツ関連の本を勧めてみるのはどうでしょうか。
 
 例えば、スポーツのガイドブックを紹介してはどうでしょう。ルールなどを詳しく知ることで、そのスポーツを観戦するときの楽しさが増します。もしかすると、そのスポーツを始めるきっかけになるかもしれません。プレーヤーになるにしても、サポーターになるにしても、子どものときに出合ったスポーツを生涯にわたって楽しめるならば、人生はとても豊かになると思います。

また、スポーツ選手の自伝的な本を紹介することが考えられます。そのスポーツを始めたきっかけ、成果を出すまでに歩んだ過程、一つのことに邁進することで味わう喜びや苦悩など、一流のアスリートだからこそ、彼らが語る思いや言葉などは、これから自分の道を選択し、進もうとうする子どもたちにとって、大きな励みになると思います。

 さらに、スポーツをテーマにした小説を紹介することも考えられます。子どもたちと同年代の登場人物が、スポーツを通して人間的に成長していく姿はとても魅力的です。実際にそのスポーツを経験したことがなくても、臨場感あふれる競技場面やそのときの登場人物の気持ちなどが丁寧に描かれた小説を読むことで、そのスポーツの醍醐味を味わうことができます。そして、登場人物が直面する悩みに共感したり、言動に反発を覚えたりしながら、「もし自分だったら」と自然に考える経験が、子どもたちの心を育てていくのだと思います。

 

 日常生活をきっかけにした先生方のほんの少しの工夫で、子どもたちの読書習慣を充実させることができるかもしれません。

 なお、小学校4年生~6年生に読んだ本を記録する『みきゃん通帳』を配付しています。子どもたちが読書を通じて「知の財産」や「心の栄養」を蓄えていけるよう、有効に活用していただきたいと思います。


 
たくさん本を読んで、色々考えて、しっかりものを書いたり話したりできるようになってくださいね。上手になんて考えなくていい。書くことは心の中に何かあるからでしょ。何かない人はだめよ。書くことがないのはダメ。それを字で書いたり言葉で話せたりするように学校で勉強しているの。だから上手下手じゃない。心の中が字で書ける人。ただ嬉しいって書ける人。そして話せる人。聞いたり話したりすることは自分の長い長いこれからの生活を幸せにする一つの大事なポイントです。

                                大村 はま

 

 

 

義務教育課長メッセージ(平成29年9月1日)

愛媛の宝物

夏休みの間、普段できないことに意欲的に挑戦して、ひと回り成長したり、家族との触れ合いを満喫し、心のリフレッシュを存分に図ったりするなど、有意義に過ごした子どもは多いと思います。

そういう子どもたちに会えるのは、とても楽しみなことです。ただ、第2学期の始業式を迎える子どもたちの中には、運動会(体育大会)や文化祭などの充実した学校行事に胸を躍らせている子どももいれば、不規則な生活から体調を崩し、学校生活に不安を感じている子どももいるでしょう。子どもの発する小さなサインに敏感に気付くことができる、そんな感性豊かな教師でありたいと思います。


 さて、先月末に全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。愛媛県は小・中学校とも全ての調査項目において全国平均を上回っており、基礎と応用のバランスのとれた全国上位の学力水準を維持することができました。愛媛教育の質の高さを全国に示すことができたことは、教育関係者はもとより、全ての県民の誇りとなったと思います。これは、子どもたちの頑張りはもとより、日々の教育活動に熱心に取り組まれている先生方の御努力の賜物であると感じています。

今年度の学校質問紙調査における「学校全体の学力傾向や課題について、全教職員の間で共有していますか。」という問いに対する本県の肯定率は、小中とも100%、全国1位となりました。これは、参加する子どもも問題も組織も毎年変わる中、各先生方が全ての子どもたちの学力を伸ばそうと授業改善に励み、子どもたちの活動を丁寧に見届けてきた結果であると考えています。引き続き、共に力を合わせて子どもたちの学力保証に努めていきましょう。

「粘り強く考え、表現することができる子どもたち」、「質の高い教育を行うことができる先生方」共に愛媛の宝物です。


 さて、いよいよ「愛顔つなぐえひめ国体・えひめ大会」の開催が近づいてきました。他県からも多くの選手や関係者、そして観光客がやって来ます。全国レベルの競技や演技を見ることができるチャンスであることは言うまでもありませんが、愛媛のよさを全国にアピールする絶好の機会でもあると私は考えています。多くの小中学生が準備や式典に関わり、先生方も審判や運営にご協力いただきます。愛媛ならではのお接待、おもてなしを通して、温かな人柄や歴史ある史跡、美味しい郷土料理など、愛媛の宝物を多くの方々にお伝えできればと思います。


 忙しい2学期になることと思いますが心身の健康に気をつけて、更なる飛躍の時期となるようエールを送ります。


 『(プロとしては)結果を出せないと、この世界では生きていけません。

しかし、プロセス(過程)は、野球選手としてではなく、

人間をつくるために必要です。』
                                イチロー


 教えるプロとして子どもたちの学力を伸ばしている愛媛の先生方を誇りに思います。

先生方が、子どもたち一人一人へのきめ細かな指導と日々の授業改善を通して、最後まであきらめずに頑張る力を身に付けさせることは、子どもたちの明るい未来につながります。


義務教育課長メッセージ(平成29年8月1日)

「充電できていますか?」

 
夏休みも10日が過ぎました。
 1学期の終業式では、「夏休みにしかできないことをして、いい思い出をつくってくださいね。」と、子どもたちに声掛けをしていただいたことと思います。

先生方御自身は、いかがでしょうか?

長期休業とはいえ、各種行事への引率や部活動の指導、子どもたちの進路の実現に向けた補習、そして、校内外の研修への参加など、忙しい日々を送っていることと思います。しかし、それら一つ一つの指導や研修にはそれぞれ意義や目的があり、教師の心の持ち方によって成果も異なってきます。どうか実りあるものになりますよう、前向きな気持ちで臨まれることを願っています。

 

 さて、夏休みにしかできないことの一つとして、私は先生方に、ぜひ、「充電する時間」を取っていただきたいと思います。

 

皆に平等に与えられている時間を何倍も価値あるものにするために、長期休業の期間を上手に利用して、日頃は時間が十分になくてできないことに挑戦してみてください。

たとえば、

「普段会えない親戚や友人との会話を楽しむ。」

「“積ん読”している本をすべて読む。」

「趣味(釣り、スポーツ等)を思い切り楽しむ。」

「家族と旅行に出かける。」
  

など、自分のため、ご家族のために充電する時間を確保してください。


 ところで、パソコンのバッテリーなどを長持ちさせるには、電池の種類に応じた充電方法のコツがあるそうです。例えば、ニッケル水素電池は継ぎ足しをせず、できるだけ使い切ってから充電する。リチウムイオン電池はフル充電ではなく、
80パーセント充電にするなどです。

私たちも、自分に合った充電方法を工夫することで、健康の保持増進はもとより、自分のさらなる成長や気付を得られることもあるのではないでしょうか。また、そのことは子どもたちとの人間関係づくりや、子どもが生き生きと活動する授業のアイディアなど、仕事の上でもプラスになっていくはずです。


 子どもは先生方と日々過ごす中で、先生方の生き方や生きる姿勢を感じ取っています。先生自身が充実した時間を過ごしていれば、自然と子どもは安心感を抱き、自らの人生にも夢や希望をもつことでしょう。


 2学期の始業式には、全ての学校で、この長期休業を生かしてリフレッシュした先生方と元気な子どもたちの笑顔が見られることを期待しています。

 
 「得ることが難しく、失いやすいものは時間である」  吉田 松陰

義務教育課長メッセージ(平成29年7月1日)

   「通信簿」

新学期が始まり3ヶ月が過ぎました。どの学校のホームページを拝見しても、子どもたちの笑顔があふれています。その笑顔から先生方が子どもたちと共に汗を流し、いつも寄り添い育ててくださっている姿が目に浮かびます。1学期も残りわずかとなりましたが、引き続きよろしくお願いします。
 さて、各学校では、7月の声を聞いて、通信簿の作成にむけての準備を始められていることでしょう。毎年、終業式の日には、通信簿を手にした子どもたちのこんな光景を目にします。 

  先生から受け取った通信簿をそそくさと胸に隠し、周囲の目を気にしながら、教室の隅でこっそり開き小さくガッツポーズ。そのそばではがっくり肩を落とす子。

こんなにも子どもたちの心に影響を与える数字や短文は他にありません。ですから通信簿は人間性の優劣を示したり、学習や生活の失敗の烙印を押したりするような「痛心簿」であってはなりません。

私も親として子供の通信簿を受け取ったことがあります。通信簿を開くと、親が知らない我が子の頑張りを綴った、担任の先生の丁寧な言葉が目に入りました。思いっきり我が子を褒めたのはもちろん、その通信簿で我が家がぱっと明るくなったような気さえしました。やはり、通信簿は学校と家庭、先生と子供、親の心をつなぐ「通心簿」でなければなりません。

さらに、通信簿は、学習状況や学校生活の様子を、客観的に正しく評価した、信頼に足るものでなくてはなりません。皆さんが行う評価の根拠は明らかで、説明責任を果たせるものとなっていますか。計画的で適正な評価は我々教師の生命線の一つですから、学校の信頼を届ける「通信簿」をぜひ子どもたちに手渡してください。

さあ、いよいよ夏休みです。子どもたちに、自分の命を自分で守ること、家族とともに過ごし語り合うこと、普段できないことに挑戦することの大切さなどを夏休み前にしっかりと伝えてください。

先生方もご家族や自分のために費やす時間を大切にして下さい。

子どもたちにとっても、先生方にとっても愛顔いっぱいで2学期を迎えられる夏休みになりますように。


  可愛くば 五つ教えて 三つほめ 二つ叱って よき人となせ。

二宮尊徳

義務教育課長メッセージ(平成29年6月1日)

 いのちのぬくもりを感じながら

 一雨ごとに庭の紫陽花の蕾が膨らみ、どのような花を咲かせるのか楽しみな季節となりました。
 先生方におかれましては、宿泊研修や運動会、郡市の総体に向けての準備など、充実した教育活動が行われていることと思います。

 さて、先日、愛媛県警から、「愛媛の子供等の交通事故について(平成24年~平成28年)」のデータが公表されました。興味深いデータが示されましたのでいくつかご紹介します。


 <小学校関係>
○ 交通事故死傷者は男児が女児の約1.8倍多く、歩行中に限ると約2.5倍多い。
○ 歩行中の事故は3月、6・7月、10・11月が多い。1年生に限ると5月に歩行中の事故が急増する。
<中学校関係>
○ 自転車乗用中の死傷者は、男子が女子の約1.4倍多い。
○ 自転車乗用中の事故は、出会い頭の事故が多く、5月から7月までと9月に多く発生している。
○ 登下校中に比べ、私用中のヘルメット着用率が低調である。
                                            (詳細は愛媛県警HPに掲載)

 これらのデータから、小学校一年生が自分たちだけで下校を始める時期、日暮れがだんだん早くなる時期など、起こりやすい交通事故の原因を踏まえ、未然に防ぐ手立てが必要です。交差点での一時停止など安全に自転車に乗用するためのマナーの向上、私用時のヘルメット着用などの課題も見えてきます。
 これからの季節、プールや海で泳ぐことを楽しみにしている子どもたちも多くいることでしょう。交通事故や水の事故、そして部活動中のけがなど、子どもの事故やけがを未然に防ぐには、周りの大人がしっかりと指導することが大切だと改めて感じております。
 遊具などの学校施設の管理や点検、通学路や危険箇所の点検など、全教職員が協力して安心・安全な学校づくりに努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 ところで、6月は暦の上では、水無月(みなづき)です。名前の由来は様々ですが、一説によるとこの月は田植えが済み、田に水を張る必要がある「水の月」という意味でつけられたとも言われています。梅雨の雨やじめじめした空気は私たち人間にはうっとおしく感じることもありますが、苗にとって梅雨の雨は、実りの秋に向けて大きく成長するためには欠かすことはできないものかもしれません。
  保護者からお預かりした子どもたちの命、このかけがえのない「命」が、苗の成長のように、各学校において健やかに育まれることを切に願っています。

 あのね 自分にとって 一番大切なものは 自分のいのちなんだよ
 だから すべての他人のいのちが みんな大切なんだよ   

                       あいだ みつを

義務教育課長メッセージ(平成29年5月1日)


  万緑の中で・・・
  ~子どもたちの小さな成長を慈しみながら~

 青葉が目に鮮やかに映るとともに、生命の息吹を感じる季節です。各学校においては、年度当初の慌ただしさが一段落し、学習や学校行事などが充実し始めた頃ではないでしょうか。

 5月は、修学旅行、集団宿泊研修、運動会(体育大会)、総合体育大会に向けた準備等、児童生徒が活躍する行事が多くあります。意義と目的を見失うことなく、安全に実施し、子どもたちの心に残るすばらしい行事になりますことを切に願っています。

 さて、先生方には日頃から、児童生徒のことを第一に考え、全力で教育活動に当たっていただいており、心より感謝しております。児童生徒に向けられる安全・安心への心配りは当然のことながら、先生方の御健康と家庭生活の充実は何よりも大切です。ワークライフバランス(仕事(ワーク)と生活(ライフ)の調和(バランス))を重視し、心豊かに、日々の教育活動に当たっていただきたいと考えています。

 また、県内各地で第17回全国障害者スポーツ大会リハーサル大会が5月27日(土)、28日(日)に開催されます。この大会は愛顔つなぐえひめ大会に対する県民の理解を深め、関心を高めることを目的としています。私たち教職員も全力で大会を盛り上げていきたいものです。

 最後に、大型連休は、子どもたちが学習やスポーツに励むとともに、家族と過ごす大切な時間となってほしいものです。事故や事件の加害者、被害者にならないよう、事前の指導をしっかりとお願いいたします。また、寂しい思いをしている子への心配りもよろしくお願いいたします。

 我が子ごとのように、教室の子どもたちの小さな成長を慈しみながら、教師として働く喜びや意欲が感じられる5月であってほしいと願っています。

  萬緑の中や吾子(あこ)の歯生え初(そ)むる  中村草田男

義務教育課長メッセージ(平成29年4月1日)

 

平成29年度のスタートに向けて


 道端に咲く菜の花や頬をなでる風にも春の訪れを感じる中、いよいよ平成29年度のスタートを迎えます。暖かな日差しを浴びながら、ふと空を見上げるとツバメの姿が目に入ります。ツバメの親鳥は、小さなくちばしを使って土や草を何度も運び、世界に一つだけの自分たちの巣を作ります。そして、雛は、その巣の中で親鳥の愛情をたっぷりと受け、すくすくと育ちながら、新しい世界に飛び立つ力を身に付けます。
さて、県内を見てみますと、平成29年度は405校(小278校、中127校)の学校それぞれが、地域の特色や持ち味を生かした405通りのオンリーワンの学校(巣)づくりに力を注がれることと思います。校長のリーダーシップのもと、全教職員が一枚岩となって、子どもたちを包み込むような温かい組織づくりをお願いします。
 
本年度は、えひめ国体、えひめ大会の開催の年であり、新しい学習指導要領への移行に向けた準備や継続した学力向上への取組等、各校においても大変忙しい年になると思いますが、先生方が心身ともに健康で、地に足をしっかりとつけた教育を推進し、実りの多い1年になることを心より願っています。
 
 先生方の笑顔は、子どもたちに安心感を与えます。
 先生方の前向きな心は、子どもたちにやる気を与えます。
 先生方の優しい言葉は、子どもたちの心を癒します。

 先生方が、子どもたちとの出会いに胸を弾ませ、明るく前向きに今年度のスタートを切れますよう、そして、素直でひたむきな愛媛の子どもたちが、新しい出会いや体験に胸をわくわくさせながら学校生活を送れますよう願っています。    

 あたらしい門出をする者には、新しい道がひらける
                       (相田みつを)

義務教育課長メッセージ(平成29年3月1日)

節目

年度末の3月になりました。

愛媛のすべての先生方に、一言お礼を申し上げます。

本年度をもって御退職される先生。引き続き、御尽力いただく先生。それぞれのお立場で、愛媛の子どもたちが幸せな人生を送るために必要な「生きる力」を伸ばしていただき、ありがとうございました。

人づくりは国づくり。とりわけ、子どもたちの健やかな成長は、その子の人生をよりよいものにするだけではなく、家族、地域、国、そして、世界づくりへとつながっていきます。その礎となる教育をそれぞれの学校や児童生徒の実態に応じて、懸命に取り組んでいただきました。おかげさまで、愛媛の子どもたちは健やかに成長しています。

子どもたちとこの一年間を振り返る際には、出会いの大切さについても思いを巡らせて頂きたいと思います。

才能の花を咲かせようとする子どもたちと、それを温かく指導しようとする先生。両者の意識の高まりと出会いがあった時に全てがうまくいくのです。

「啐啄の機(そったくのき)。」

雛が卵から羽化するとき、雛が内から殻をつつく頃合いに親鳥が外からつつく様を表した言葉です。何ごとにも絶妙のタイミングという時があるものです。早すぎず、遅すぎず。

4月に出会い、この1年を一緒に過ごした運命に感謝。

子どもたちも、我々教師でさえも、啐啄の機に出会ってこそ、花を咲かせることができるものです。

最後にもう1つ。青竹に節目があるように、私たち人間も節目が必要です。その節目があるから、丈夫にいられます。

今日、3月1日は大きな節目である県立学校の卒業式です。小中学校でも式に向けた準備が始まっていると思いますが、やはり、学校にとって卒業式は1年間で最も大切な行事です。卒業生がお世話になった方々への感謝とともに、新たな希望を胸に抱いて巣立っていけるよう、万全の体制で式を迎えてほしいと思います。

卒業、入学といろいろな別れと出会いの時の流れの中、その節目を私たち教師にとっても子どもたちにとってもよいものとし、来る新年度を迎えられますようお願いします。

竹にはフシがある。そのフシがあるからこそ、竹は雪にも負けない強さを持つのだ。

本田宗一郎

 

 

 

 

義務教育課長メッセージ(平成29年2月1日)


始めに、先生方にお願いがあります。

とても残念なことですが、このところ、住居侵入、ストーカー行為、個人情報の紛失、酒気帯び運転など、教職員による不祥事が相次いで発生し、憂慮すべき事態となっております。このような行為は、子どもたちの心を深く傷つけ、自らの職や社会的信用を失わせるばかりでなく、家族を苦しませ、さらには家庭を崩壊させてしまうなど、多くの人の人生を狂わせることとなりかねません。

信頼なくして教育は成り立ちません。今こそ、教職員一人一人の姿勢が厳しく問われている時ではないでしょうか。初心に立ち返りこの深刻な事態を他人事としてではなく、自らの問題として危機感を持って受け止め、足下を振り返り、緊張感を持って行動するようお願いします。

さて、先生方は、正月恒例の「箱根駅伝」をご覧になりましたか。青山学院大学が、「サンキュー大作戦」の下、見事に箱根駅伝3連覇、大学駅伝3冠を達成しました。かつては本戦出場もかなわなかったにもかかわらず、ここまでの快挙を成し遂げるまでに成長した陸上競技部を指導した原監督は、次の三つのことを大切にしているそうです。

 一つ目は、個々の力を発揮させるために「連帯感」を高めること。

二つ目は、選手全員による「目標管理ミーティング」を行うこと。

三つ目は、チーム内の雰囲気が明るくなるように、日頃から「表現」すること。

 

これらを、学校教育に置き換えて考えてみました。

① 一人の教職員が子どもたちにできることは限られています。例えば、2の力を持った教員が3人いるとき、普通の学校では2+2+2で6の力になりますが、全教職員が「子どもたちのために」という思いを共有し、「連帯感」をもって組織で動けば、2×2×2で8の力が発揮されるでしょう。

そういう学校では、子どもたちのよさを伸ばす教育が展開されるでしょう。

② また、組織力を発揮するためには、全員が目指すべき目標を共有することが大切です。今一度、校長が示した「学校経営案」や「グランドデザイン」を確認し、実践できているか確認しましょう。

そういう学校では、教師が一丸となって、子どもたちの学びを支えるでしょう。

③ そして、各校の教職員の集団を単なる仲良し集団ではなく、互いに切磋琢磨し、高め合える集団にしましょう。このような集団は、互いに教育に対する自分の思いや考えを「表現」し、困難や課題に直面しても理解し、協力し合うことができるはずです。

そういう学校では、自分を生き生きと表現できる子どもたちが育つでしょう。

 

学校教育は、駅伝に例えられます。子どもたちの生涯にわたる学びに関わる者として、来年度には、次の学年や学校へ責任を持って、たすきをつなぎたいものです。

ところで、寒い冬の後には、必ず暖かい春がやってきます。植物は、寒さに耐えられるように工夫を凝らした冬芽を形成し、春に美しく花を咲かせる準備をしています。

 各学校でも、県学力診断調査やふりかえりテストの結果を分析するなどして、進級・進学の春に、子どもたちの愛顔が満開になるような準備をしていただきたいと思います。


   静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている

   たくわえられた力がなければ、時が来ても成就しないであろう   

                           松下幸之助 

義務教育課長メッセージ(平成29年1月1日)

  新しい年の始まり

     ~夢や目標に向けて努力する子どもたちに寄り添う教師でありたい~

 

明けましておめでとうございます。

 平成29年が始まりました。先生方におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 

 さて、子どもたちは新しい年をスタートするにあたり、書き初めや新年の抱負などを通して、こうありたい理想の自分や、将来の夢などを思い描くことでしょう。

 そして、4月の進学や進級に向けた目標を掲げ、さらに頑張ろうと気持ちを新たにすることでしょう。

 すべての子どもたちが、それぞれの願いを胸に、一生懸命学校生活を送っていくと思います。

 

 しかし、子どもたちが進む道は、決して平坦ではありません。時には、自分が進むべき道に悩んだり、迷ったりして、歩みが止まってしまうこともあるかもしれません。

 そんなときこそ、私たち教師の出番ではないでしょうか。

 人が自分の夢を追っているときには、悩み迷うのは当たり前であることや、何かを成し遂げようとするときには、小さなことを積み重ねていくことが大切であること、回り道のように思えることでも、真摯に取り組んでいけば、夢に到達できることなど、私たちが経験してきたことを交えて、具体的に子どもたちに語りましょう。

 目の前にいる子どもたちの可能性は、無限です。

 目の前にいる子どもたちの未来は、輝きに満ちています。

 私たちは、いつでも夢や目標に向かって進もうとする子どもたちに寄り添い、支え、応援し続ける愛媛の教師であり続けましょう。

大切なことは共感すること

共感とは、相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じることだ

              (アルフレッド アドラー 心理学者)

義務教育課長メッセージ(平成28年12月1日)

「1年のおわりに ~子どもたちから目と心を離さない~」


 いよいよ今年最後の月、師走になりました。

 

12月は先生方も学期末の事務処理等で大変忙しい月だと思います。

忙しいためについ気持ちが焦りがちになりますが、この時期だからこそ子どもたちから目と心を離さないでいただきたいと思います。


 50歳の大人にとっては、1年は人生の50分の1

 10歳の子どもにとっては、1年は人生の10分の1

こう考えると、子どもの1年は私たち大人の1年よりもはるかに大きな意味をもっていると言えるのではないでしょうか。


 希望に満ちた春。新しい出会い。学校は子どもたちと先生方のやる気で活気づいたことでしょう。

リオオリンピックに沸いた夏。暑い時期ならではのスポーツや体験活動など、共に汗を流すことで子どもたちとの信頼関係を深められたのではないでしょうか。

実りの秋。学習への取組が充実し、子どもたちの落ち着いた学校生活を支え、温かく見守ってくださったことでしょう。

 そして冬。寒さに耐え春を待つ木々のように、子どもたちも更なる成長のために力を蓄えていることでしょう。

 

4月から9か月、子どもたちが周囲の人たちとどのように関わり、その中でどのようなことができるようになったのか、皆で一緒に確認しながら、成長をともに喜ぶ締めくくりができればうれしいことです。

今年の冬休みは例年になく長い休みとなります。休み中でも、先生方の心が子どもたちに寄り添っていることを感じられるような御配慮をお願いします。

先生方も御家族との時間をゆっくりお過ごし下さい。

「 川は岸のために  流れているのではない

川のために    岸はできているのである

子どもは     学校のために来ているのではない

子どものために  学校はあるのである

学校はできない子をできるようにしてやるところです。

わからないという子どもをわかるようにしてやるところです。

わからない子のために、学校があり、先生があるのです。  」

東井 義雄(教育者)の言葉より一部抜粋

義務教育課長メッセージ(平成28年11月1日)

「実りの秋~読書への誘い~」


「読書の秋」「スポーツの秋」そして、「実りの秋」を迎え、各小中
学校においては、児童生徒が読書や学習などに落ち着いて取り組み、充実した学校生活を送っていることと思います。 

ところで、先日、東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されました。大隅教授が科学の道に進んだきっかけの一つは、お兄さんからもらった本との出合いだったそうです。

この大隅教授の例だけではなく、一冊の本との出合いが、その人の人生に大きな影響を与えることがあります。

私たちは、「読書」という行為により、他者の人生を追体験したり、他者の感情や思考に触れたり、未知の世界の存在に気付き、新たな知識を得たりすることができます。

つまり、読書をすることで、自分の視野を広げることができるのです。その意味でも読書は非常に優れた学びの場です。

今年度の全国学力・学習状況調査の質問紙調査では、愛媛県の児童生徒が読書に費やす時間は、全国と比べて短いと報告されています。

ぜひ、先生方がこれまでに出合った本のことを、子どもたちに語ってあげてください。そして、子どもたちが多くの良書に親しみ、読書の楽しさを味わう機会を設けてあげてください。小中学校時代に出合った一冊の本が、今、先生方の目の前にいる子どもたちの人生に大きな影響を与えるかもしれません。

秋の好季節、読書を通じた体験が子どもたちの将来に豊かな実りをもたらすことを信じて、先生方も好きな本を手に取ってみませんか。


 「書物の新しいページを1ページ、1ページ読むごとに、
      私はより豊かに、より強く、より高くなっていく。」

チェーホフ(ロシアの劇作家)

義務教育課長メッセージ(平成28年9月30日)

「 愛媛教育の底力!ここにあり 」

愛媛県教育委員会では、「確かな学力」の定着と向上を目指して、平成24年度から「学力向上5か年計画」のもと、県全体で学力向上に取り組んで参りました。そして、今年度はその最終年度です。

先日の報道のとおり、今年度の「全国学力・学習状況調査」では、国語及び算数・数学の平均正答率を合計した本県の全国順位は、小中学校とも第6位という素晴らしい結果を得ました。

これは、家庭、学校、地域、市町、県が一つになって学力向上に取り組んだこと、愛媛の先生方が、授業力向上を目指して真摯に授業改善に取り組んだこと、そして、何より素直で前向きな愛媛の子どもたちが、最後までねばり強く学習に取り組んだことが実を結んだのだと思います。

今後は、これまで取り組んできたことの成果と課題を検証し、また、学習指導要領の改訂も見据えながら、更なる取組を進めていきます。

愛媛の先生方、どうぞ自信をもって、持てる力を十分に発揮してください。

そして、これからも、魅力ある授業を追い求めていきましょう。

愛媛の子どもたちの()(がお)ために・・・。


 「 平凡な教師は言って聞かせる

     よい教師は説明する

         優秀な教師はやってみせる

             しかし、最高の教師は子どもの心に火をつける 」

        ウィリアム・アーサー・ウォード

     (アメリカの教育者)

義務教育課長メッセージ(平成28年9月1日)

「 努力することの素晴らしさ 」

今年は4年に一度のオリンピック、パラリンピックの年。

8月5日から始まったオリンピックでは、日本人選手の活躍が中継されるたびに、心から声援を送り、そのプレーに心が震えました。

 

メダルを獲得した選手、メダルに届かなかった選手、そして、出場することすら叶わなかった選手にも、みな同じように、目標に向かってひたすら努力し、それでも思うようにいかず、時には苦しくて涙した過程があったはずです。

一人一人がもつストーリーに思いをはせるとき、その懸命さに心うたれ、拍手を贈りたくなります。

なぜなら、その努力の過程こそ大きな価値があるからです。

しかし、努力を重ねても、うまくいかないときはあります。

それでも、夢に向かって努力し続ける姿は素晴らしい。

私たち教師も、努力する姿を臆することなく子どもたちに見せましょう。

 

第2学期が始まりました。

様々な学校行事が行われると思いますが、子どもたちにとって、小さな努力の積み重ねの大切さを実感できる学びの場となるよう願っております。

なお、まだまだ暑い日が続きますので、熱中症対策が必要です。

子どもたちへの配慮はもちろんですが、先生方も十分気を付けてください。

 「 僕はいつも一生懸命プレーしていますが、

   今日はよい結果が出なかった。

   でも、だからといって後悔もしていないし

   恥ずかしいとも思っていません。

   なぜなら

   できる限りの努力をしたからです。 」

               イチロー(メジャーリーガー)

 

 

 

 

義務教育課長メッセージ(平成28年8月1日)


「整理すること」


 教員は多忙です。

だからこそ、日頃から「整理すること」が重要です。

「今は忙しいから、時間ができたら整理しよう」という姿勢では、机上に書類が次々と積み上がり、仕事の効率を下げるばかりでなく、紛失のリスクも高まります。

私たちは、個人情報をはじめとして、紛失や流失が許されない多くの重要な情報を取り扱っていることを忘れてはなりません。

 世界的な企業であるトヨタ自動車の強さを支える「トヨタ生産方式」。その根幹を支えるのは、「片づけ」にあると言われています。

皆さんの職場、机上はどうでしょうか。

ところで、整理することには様々な効果があります。例えば、次のようなことです。

<仕事の整理>

 現状をきちんと把握し、優先順位をつけることで無駄な時間を減らすことができる。

<頭の整理>

  不安が解消され、今後の見通しをもつことで適切な判断や意思決定ができる。

<心の整理> 

心にゆとりが生まれ、相手への思いやりをもつことができる。教師として子どもたちによりよく接することができる。


 このように考えると、整理することで私たちの人生がより豊かなものになると言っても過言ではないかもしれません。

夏休みを利用して、今一度、整理することについて職場全体で見直してみてはいかがでしょうか。


  「整理・整頓の出来ていない工場に、素晴らしい職人はいません。」

                        ヘンリー・フォード

(フォード・モーター創業者)

義務教育課長メッセージ(平成28年7月1日)

「夏休みを前に」

 4月に新学年がスタートしてから3ヶ月が過ぎました。各学校において、先生方は学校の教育目標の具現化に、子どもたちは自分の決めた目標の実現に向けて、創意工夫しながら取り組んでいることと思います。

 

学期末を迎え、成績処理や通知表の作成など忙しいことと思いますが、子どもが頑張ったことや課題、成長したことなどを懇談会の機会等を捉えて具体的に伝えて欲しいと思います。また、子どもの課題は、先生方の課題でもあります。指導が不十分なことについては、自身の指導を振り返り、夏休みに実践できる手立てを考えたり、2学期からの指導計画の見直しを行ったりするなど、改善を図ってください。

 今月下旬には、子どもたちが楽しみにしている夏休みを迎えます。子どもたちを家庭に返すわけですが、「命を守る」ということに言い過ぎはありません。

 あらゆる機会を通じて、命を守る教育を徹底し、夏休み明けには全員が揃って元気に登校できるよう、万全を期してください。

 

また、長期休業中は、体験活動の機会をつくる絶好のチャンスでもあります。

文部科学省が行った「子どもの体験活動等に関するアンケート調査」では、「お手伝い」「自然体験」をしている子どもほど、「道徳観・正義感」が身に付いているという結果が出ています。

 聞いたことは忘れ、見たことは覚え、行ったことは理解するとも言われています。子どもたちには、長期休業中だからこそできる体験をして欲しいと思います。

この夏休みが、子どもにとっても教職員の皆さんにとっても、有意義なものとなることを願っています。


 
「何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない。」 

(アルベルト・アインシュタイン)

義務課長メッセージ(平成28年6月1日)

「信頼なくして教育はなりたたない」

あなたは子どもたちを信頼していますか?

あなたは子どもたちから信頼されていますか?

同じ言葉をかけても、信頼の度合いによって、子どもの心への響き方は違うもの。

それは、保護者に対しても、地域に対しても同じです。

先生方は、

「教職に対する強い情熱」をもち、

「教育の専門家としての確かな力量」と

「総合的な人間力」を磨くことによって、広く社会から信頼を得ています。

 信頼は日々の地道な積み重ねにより、時間をかけて築かれるものです。

しかし、信頼をなくすのは一瞬です。

そのことは、肝に銘じなければなりません。


    いつも心は燃えていよう、消えてしまっては駄目。

いつも瞳は澄んでいよう、濁ってしまっては駄目。

坂村真民(「なやめるS子に」より一部抜粋)

義務教育課長メッセージ(平成28年5月9日)

熊本県を中心とした地震が、各地に甚大な被害をもたらしています。被害を受けられた方々、今なお避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞い申し上げます。

さて、新年度がスタートして1ヶ月が過ぎました。

年度初めの慌ただしさも一段落し、落ち着いて学習に取り組んでいる学校

運動会にむけて、全校で盛り上がっている小学校

総体に向けて、練習に熱のこもっている中学校

各学校、それぞれの5月を迎えていることでしょう。

そのような中、教職員の皆さんは、子どもたち一人一人の表情をしっかりと確認できているでしょうか。

統計によると、ゴールデンウィーク明けに、不登校生が急増しています。

それぞれの立場で、今一度、子どもたち一人一人を見つめるとともに、常にアンテナを高く張り、笑顔あふれる学校・学級の礎をしっかりと築いてほしいと思います。

あなたにめぐり逢えて本当によかった。

      一人でもいい、心からそう言ってくれる人があれば。

(出典:相田みつをの名言集 - 人生を変える名言・格言)

義務教育課長メッセージ(平成28年4月12日)

平成28年度のスタートを迎えて 

桜の花びらが舞う中、県内の各小中学校で入学式及び始業式が行われ、小学生69,421人、中学生34,384人の新たな学校生活がスタートしました。

各学校では、子どもたちが大きな希望や新たな決意を抱き、生き生きと活動する姿があり、明るい笑い声が響いていることでしょう。

私たちは、子どもたちの思いに答えることができます。

愛媛の子どもたちの命を全力で守り、子どもたちの明るい愛顔があふれるよう「チーム愛媛」でともにがんばりましょう。

花は一瞬にして咲くのではない。

大地から芽から出て葉をつくり、

葉を繁らせ、成長して、

つぼみをつくり花を咲かせ、実をつくっていく。

       花は一瞬にして咲くのではない。花は一筋に咲くのだ。

坂村 真民

義務教育課長メッセージ(平成28年3月24日)

検定中の教科書閲覧について
検定中の教科書閲覧の問題では、本県の65名の教員が関わっていました。

教科等の研修を深めるために各種研修会に参加することは、大いに奨励されるべきことですが、「李下に冠を正さず」という言葉もあるように、関係業者との利害関係が疑われるような行動は、厳に慎まなければなりません。

愛媛の先生方一人一人の自覚ある行動を期待しています

義務教育課長メッセージ(平成28年1月22日)


「学校の元気」 

校長先生の心のこもった言葉、
教頭先生のさりげない声掛けが先生方を救います。

教職員と対話するときは、基本に立ち返り、

相手の目を見て、表情を読み取りながら語ってください。

その場に応じた言葉、温かみのあるひと言によって、

管理職と教職員、また、教職員同士の心はつながります。

管理職の努力なくして、明るく楽しい学校はできません。



義務教育課長メッセージ(平成27年12月17日)


子どもが思い通りにならないのは当たり前。

学校の先生は、たとえ子どもが約束を破っても、ルールを無視しても、嘘をついても、
一生懸命、教え諭すもの。

そして、その時も、その後も、子どもを信じ続けるもの。

子どもと向き合う先生には、子どもを包む幅が求められる。
   だって、子どもたちの学校でのお父さん、お母さんは、先生、あなたしかいないのです。


義務教育課長メッセージ(平成27年11月6日)

 愛媛県の先生方へ
  子どもへの問いかけやアンケートでは、多くの場合、「大丈夫」という答えが返ってきますよね。
    でも、その「大丈夫」が、親や教師を安心させようとする子どもの心遣いだとしたら…。
  今、私たちには、子どもたちの些細な変化や、心の奥底にある思いに気付く感性が求められています。
  とは言え、感性がなくても、私たちにはできることがあります。 
  それは
  できるだけ長く子どもたちのそばにいること。

  子どもたち一人一人をよく見ること。
  時には声を掛けること。
  それで子どもたちが安心できるとしたら、やってみる価値があるはずです。